エリカの新訳が出た。
http://www.decitre.fr/livres/Oeuvres-completes.aspx/9782729118785
私はデータでも持っているからいいけれど、重くて字が細かいので、何かこれから先Kと付き合っていくのが難しい。
エリカは7月から半年間ウィーンに招かれてパトチカの哲学書の翻訳のチェックにとりかかるそうだ。
今、代替医療の陰謀論的構造について考えているので、エリカにその話をしたら、つまり、気功とmagnétiseurとが同じ原理ではないかという話をしたら、彼女は自分の体験を話してくれた。一度magnétiseurのところに行ったら、あなたは狂気の淵にいると言われて、治療されずに金も取られずに追い出されたそうなのだ。それって、ある意味怖い話じゃないか?
で、お勧め代替医療として、有名なホメオパシーの医者を紹介してくれた。
これがなんと、
ユニシスト uniciste
なのだ。
ソリプシストの次はユニシストかい。
ホメオパシーは子供や動物にも効く。まあ、得意分野とそうでないのがあるのだけれど。
フランスではどの薬局でも安く売っているので、うちにも常備薬としていろいろある。子供の蕁麻疹がすぐに消えて助けられたこともある。他の薬の副作用が消えたこともあった。
そういう標準薬と違って、ユニシストはまったく違う処方をする。しかも予約に半年待たされたりして信頼のほどを試されるのだそうだ。基本は紹介制。フリーメイスンみたいだなあ。
どんな宗教でも、中途入信の動機は「持病の治癒」が一番強力だ。障害や痛みが消えるということが人にもたらすインパクトは計り知れない。その前では障害や痛みを受け入れる意味付けなんてふっとんでしまう。
自己治癒力やプラセーボ効果は今でもすべて謎の領域だ。
私のような懐疑とネガティヴ・スパイラルの人が「奇跡」を体験したらほんとうに「回心」とかするんだろうか。多分そういう奇跡や回心がセットになっている地平とは別の地平で私は痛がったり思考したりしているような気がする。