この前、冷却水が大量に必要だから海岸に作られる原発について、フランスで平地にあるのはどうなっているんだろうと思っていることを書いたが、
http://www.project-syndicate.org/commentary/chellaney15/English
にあるように、やはり湖や川や河沿いにあるらしく、フランスの原発が一年に使う水は190億立方メートルで、淡水消費の半分は原発だそうだ。(フィガロ3/17)
しかも使用後に高熱の水を戻しているから川や湖の温度が上昇するので、2003年の猛暑のときは17の原発が発電量を減らしたという。
その熱湯をせめて冬場の暖房に回すとかの有効利用が出来ないのだろうか。原発は二酸化炭素を出さないからクリーンなどと言いながら、立派に地球温暖化している気もするが・・・
東京のフランス系企業も通常業務に戻ったようで、地震直後にもうフランスに避難させられていた駐在員などもこの週末に東京に戻るらしい。
駐在員などは旅費が出るが、フランス政府のチャーター機で帰国を呼びかけられた一般在日フランス人は自前で日本に戻らなくてはならない。実際、それが嫌で日本に残った人もいる。
フランスのTVニュースでもようやく被災地や福島県に報道班が入って臨場感のあるものを流しはじめた。
原発から30キロ地点の自宅に避難所から戻ってきて、80代のおかあさんと籠城する息子さんのインタビューなどもあった。
食品の汚染の話題も多く、日本からの食品輸入が規制され始めたらしい。
スーパーで売っている「わかめサラダ」だの「すし」だののパックには、すべてメイド・イン・フランスのシールがはられていた。これではパリの日本レストランにも影響が出ているかもしれない。
木曜日に海軍の人とチャリティコンサートについて話した。ギメ美術館のオリエント協会の会長さんにも紹介してもらった。
パリは4月9日から春休みに入るので集客にはやはりその後の方がよさそうだ。
知り合いのカウンターテナーのセバスチャン・フルニエ
http://contretenor.onlc.fr/
も、ぜひ一緒にと言っている。
彼は2008年のチベット弾圧のときにも支援コンサートに参加した。
奥さんも歌手なので、いろいろなことが出来そうだが、私たちのトリオが昨年秋に日本でバロック・フルートと共演した「精霊の踊り」を彼に歌ってもらうというのは少なくともやりたい。
多くの人の善意があっても、「やる気満々」の人がその中にひとりは必要だ。
できたらアーティストではない人で。
幸いそんな人が名乗りをあげてくれたので、実現する可能性は大きい。
もちろん大海の一滴だけれど、もうプロジェクトが動き始めたので、練習と、健康管理に気をつけなくてはならない。
遅れている仕事も再開しなくては。
けれども、この大震災についていろいろ考えたことで前よりクリアに見えてきたものもある。
私が直接被災したわけでなくとも、同胞の大きな試練の前と後では、世界との関わり方は、もう、同じものではない。