L'art de croire             竹下節子ブログ

レヴィ=ストロースLévi-Strauss 、そして、フクシマ・・・

レヴィ=ストロースClaude Lévi-Strauss
の未発表エッセイが2冊相次いで出版された。


http://www.liberation.fr/livres/01012330207-claude-levi-strauss-sous-l-emprise-du-soleil-levant


1979年から2001年のもので、5歳の時に父から贈られた広重の浮世絵を見てから自分の一部は日本と共にあったというようなものから、生まれ育った場所でない文化の深奥には達することができないという構造文化人類学者らしからぬあきらめの言葉まで、さらに、日本は伝統とテクノロジーのバランスを獲得した国であるというコメントもある。

今や毎日の「フクシマ」報道で日本の放射能が強迫観念として振り続けているフランスで、タイムリーだから、ちょっとした話題になりつつある。

今発売の科学雑誌も軒並み原子力特集、日本特集・・・

地震や津波よりも原発事故はフランスの恐怖のツボにはまるせいか、アフリカ情勢やら与党の分裂やらといった緊急の話題が豊富にあるに関わらず「日本報道」は大震災から一ヶ月後も根強く続く。

「ヒロシマ」と「フクシマ」がフランス風に言うと「脚韻を踏んでいる」のも、覚えやすいので二つ合わせて唱えられやすい。

ヒロシマの方はフランス語では、イロシマでしかも「ro」の発音がかなり違うから、日本人にとってはよその国の都市のような響きだが、フクシマはフランス人もちゃんと発音するので、存在感が増す。

ヒロシマの「ヒ」は「hi」でフランス人はhを発音しないからなのだが、福島の「フ」は「fu」と表記されるのでちゃんと発音されるのだ。

「ひ」と「ふ」でこんなに違う運命が待っている・・・

(ex 福田首相はフクダで、鳩山首相はアトヤマとか・・)

私の室内楽友達のヴァイオリニストであるジャンは、3月に予定されていた日本への豪華客船旅行が中止になったのに続いて、5月に行くはずだったウズベキスタンへの旅行も、日本の放射性物質を含んだ雲の危険のために中止になったと言ってがっくりしていた。

5月のウズベキスタンに放射能拡散の風予報が出ているのだろうか?
それとも原油高騰でペイしなくなった観光旅行を、旅行会社が、放射能を口実に中止しているんだろうか。
こんな話が他にもあるのだとしたら妙なことではある。

この調子で「日本による全北半球放射能汚染」話がエスカレートしたら、本当に、これからは日本からフランスにくる観光客だって警戒されかねなくなるのでないか、と心配だ。
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by mariastella | 2011-04-09 19:57 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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