L'art de croire             竹下節子ブログ

ルルドの奇跡の起こり方 閑話休題その2

フランス、ベルギー、スイスの『癒しの泉とチャペルガイド』新刊。

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ルルドの泉はパリからのアクセスがよくないのだけれど、パリやパリ近郊にも癒しの泉はたくさんある。

日本でいうと神社水のようなものだ。

パリの中では有名なサン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会の外側の泉。

「貧しい聖ジュリアン」はイエスの御出現を得た。

狩りから帰ってきた若い貴族のジュリアンは夫婦の寝室の床にいたカップルを、妻の不倫だと思って殺した。

それは、妻が招いて、うちで最も立派な部屋だった寝室に休ませていた自分自身の両親だった。

親殺しとなって出家したジュリアンは、旅人を背負って川を渡す隠者となり、ある嵐の日に重い皮膚病の患者を背負ったら・・・それがイエスであったという話。

いや、ここで書きたかったのは、パリ近郊Val d'OiseにあるSaint-Prixの奇跡の泉で奇跡を得るやり方についてだ。

7世紀のクレルモンの司教聖プリの聖遺骨がこの地にもたらされたのが13世紀。奇跡を求める巡礼が盛んになったのが15世紀で、泉の効能と相まって盛んになったのが16世紀。

今ではただのポンプになっていて、どう水浴するのか分からないが、とても美しい場所である。

で、そこでは、三度水浴して、その度に

「ミラクル、ミラクル、ミラクル!」

と三度唱えなくてはならなかった。

三三九度のミラクル。

普通なら、奇跡の治癒が起こった後で

「ミラクル!」

と叫びそうなものだけれど、

ここでは先取りして叫ぶのだ。

一種のイメージ療法?

すべての祈りは感謝の祈りでなくてはならない、

と言われるけれど、

まだ起こっていないミラクルを叫べば、

ぼーっとしてた聖人の魂が揺さぶられて、

「えっ、なになに、ミラクルだって?
そういや、ぼくの仕事は奇跡の治癒だったっけ・・・」

と仕事にかかってくれるのかもしれない。

チャンスを最大にしようとする昔の人の智恵は侮れないな。

中世風の民衆の智恵が息づいている巡礼地とは違って、

ルルドの奇跡には、また別のプロセスがあるらしい。
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by mariastella | 2011-04-16 23:08 | 宗教
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