L'art de croire             竹下節子ブログ

天竺菩提樹

5月17 日、ヴァンセンヌのパゴダで開催されたフランス仏教連合の会に行ってきた。

2年前にタイからフランスに釈迦の「真骨」が贈られた時のお祭り騒ぎの追っかけをしたことは延々とブログに書いた。

http://spinou.exblog.jp/10166766/
http://spinou.exblog.jp/11195243/
http://spinou.exblog.jp/11436391/
http://spinou.exblog.jp/11463850/
http://spinou.exblog.jp/11478621/
http://spinou.exblog.jp/11547435/
http://spinou.exblog.jp/11561257/
http://spinou.exblog.jp/11561366/
http://spinou.exblog.jp/11579182/

で、今回は、スリランカから、釈迦が悟りを開いた天竺菩提樹の苗木を分けてくれるということで、またお祭りになったのだ。

パゴダの奥に鎮座する金色の仏像は、なんだかこの前行ったエヴィアンのブッダ・スパの入り口を思い出させる。ブッダ・スパはもちろんブッダ・バーの系統で、「欧米」的にはクールだが日本人的には「?」というテイストのおしゃれな場所なのだ。

その金ぴか仏像の前に、2 年前に納められた仏舎利塔が恭しく置かれる。

外からスリランカ仏教徒の白い服の行列が経を唱えながら入ってくる。

女性が右、男性が左。

先のとがった葉がけっこう広がっている50センチくらいの菩提樹の苗木が鉢に入ったのが掲げられてくる。

それからそれを前にして、祈りが唱えられる。

こういうシーンでいつも思ってしまうのだが、ここで「ははーっ」という感じになるのは限りなく偶像崇拝っぽいんじゃないか。お釈迦さまが見ていたら、これをどう感じるんだろう、とか・・・

次に、スリランカからフランス仏教連合の会長の手に渡ったその菩提樹を先頭に、銅鑼みたいなのを叩きながら(これは韓国の禅宗僧であるフランス人が主導)、全員が外に出て、蝋燭を手にしてパゴダの周りを行列する。池の周りをジョギングしていた人たちが驚いてみている。

ルルドのマリア行列なら、唱和する文句が決まっていて、途中で言語は変わるのだが、アヴェ・マリアというリフレインだけはみんな確実に声を出せる。

この菩提樹行列は、みんなグループごとにいろんな祈りを唱えているのでまとまりがないが、私は声を張り上げるスリランカ女性2人のそばだったので、いっしょに声を出せた。サンスクリットぽいのだが、何度も同じフレーズを繰り返すので覚えることができた。

その後でまたパゴダに戻る。みな火のついた蝋燭を持ったまま床に座るので、火事にならないかと心配だ。

心配といえば、スリランカの菩提樹などが一体、パリで育つのだろうか、枯れたらどうするのかというのも心配になる。

仏舎利はその点、管理が楽だけれど。

聞いてみると、やはり、枯れたりすると「凶」徴になるので、スリランカ・コミュニティのお寺にあずけて世話してもらうのだそうだ。ヴァンセンヌの森に植えるわけではないらしい。

さて、この後でいよいよ諸宗教合同の平和の祈りシリーズが始まる。

まず、スリランカ、ラオス、タイ、カンボジア共同のTheravadaの僧によるパーリ語のお経。

次にベトナムの禅宗の尼僧によるベトナム語とフランス語の読経と祈りの歌。きれいな歌なのでいっしょに歌ったら、連れに「知ってるの ? 」と言われた。

行列のスリランカの歌と同じで、メロディは単純だから少し合わせるぐらいはどうってことはない。無理な姿勢で床に座っているので、声でも出さないと苦しいのだ。

次がユダヤ教の祈り。背広にネクタイの人(Gabriel Hagaï)が、 白い布を頭からかぶって上半身を覆って、朗々と祈り始めた。

次がチベット仏教によるマントラ。Dagpo Rinpocheなどもう30年以上のつき合いのなじみのメンバー。これはいかにもお経っぽい。

つぎに、Lydie Pravikoffというメゾ・ソプラノによる諸キリスト教代表の歌。

アヴェ・マリアなど3曲をアカペラで。すばらしかった。

他の宗教のは祈りや読経でこの人のは完全に声楽だから、やや違和感はあるが、ここはキリスト教の国だから、プロの歌手を調達することもできるわけだ。

次に韓国禅Kwan umの陀羅尼がかなり派手に繰り広げられる。みんなフランス人。

次がYassine Mahamad によるコーランの朗唱。けっこう長い。

次に曹洞宗による般若心経。仏教連合の会長さんも含めたフランス人の僧たち。

その後、フリーメイスンの女性代表や、普遍倫理を目指す諸宗教評議会の代表とか、フィンランドのシスターなどが平和をテーマにスピーチした。

それぞれもちろん「自分ちの宗教」の伝統にのっとって、さらに連帯を目指す趣旨だったのだが、仏教連合の会長が締めくくる前に話したドミニコ会のティエリー=マリー司祭だけが、平和についての考えを述べ、それが私の考えと同じだった。

これも、ここはフランスだから、カトリックの神学者らに頼むには選択肢が多いわけで、レベルが高いのも当然だ。

しかもこの人は精神性の高さとシンプルさと自然体が同居している人で、私はすっかりファンになってしまった。

それからメールをやり取りして、31日の海軍サロンでのコンサートに来てくれることになった。

私は2年前に訳して出した『自由人イエス』のテーマを聖書とかイエスとかキリスト教とかいう言葉をまったく使わないで非キリスト教文化圏の言葉で語りたいと思っている。

そのことについて2人で検討しようということになった。

これも聖なる菩提樹のご利益かなあ。emoticon-0100-smile.gif
[PR]
by mariastella | 2011-05-30 07:37 | 宗教
<< 幽霊屋敷と悪魔祓い 海軍サロンでのコンサート >>



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
以前の記事
カテゴリ
検索
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧