L'art de croire             竹下節子ブログ

Corinne Lepage の 『La vérité sur le nucléaire』

フランスの原子力発電について、フクシマ効果のせいか、ようやくまともな批判本『核の真実』が話題になっている。

フランス語が分かる人は以下の著者インタビューでまとめられているのでどうぞ。

http://www.agoravox.tv/actualites/societe/article/corinne-lepage-la-verite-sur-le-30481

コリーヌ・ラパージュは弁護士で欧州議会の議員でアラン・ジュペ内閣の時のエコロジー相だった。もう20年もエネルギー問題をやっている。

(私は実は彼女の弁護士事務所と少し関わったことがあったせいで、誠実さを疑っているのだけれど)

自然エネルギーの割合がフランスではこの15年にほとんど増えていないこと。

人口に対してフランスはドイツより電力消費が多く、消費のピーク時にはドイツから電気を輸入している。

フランスの原発で働くのは12万人だが、ドイツはエネルギー政策の転換によって新たな雇用を35万人創出する。

GEやシーメンスはもう原発を作らない。

アレヴァで儲かっているのはアフリカのウラン鉱山の利権だけ、それもテロの標的になっている。

EPR(第3世代原発)やMOX燃料が売れなくなったらアレヴァは破産する。

ドイツは個人の電気代がフランスより90%高い。

しかしフランスは原発の廃炉費用や廃棄物処理の費用を先送りしているからであり、しかも廃炉の見積もりは実際の10分の1(150億ユーロと見積もっているが実際は2千億ユーロかかる)であり、将来に巨大な負債を残すことになる。

などなど。

EPRはフランスでもまだできていなくて、有望な発注は中国だけだ。安全性重視で高額だから、新興国には安全性よりコストの安いヴァージョンを売れという圧力がアレヴァにあったらしい。

フランスの原発推進も、不透明で議論の対象にならないシステムがつくられていた。

チェルノブイリの時も嘘で固めたフランスだが、時代が変わってフクシマのインパクトの前には、ようやく議論のテーマになりそうだ。

いったん事故があれば、観光立国、農業国のフランスはつぶれる。

大都市リヨンは原発の30キロ圏内にある。

まあ事故は「絶対あり得ない」で強引に通せても、収支計算だけでもフランスのとっている道は異常としかいいようがない。

日本の首相がサルコジと握手して、東電がアレヴァに汚染水処理を発注したりMOX燃料使ったりするのを見てると、日本とフランスは最悪のフィールドで手を組んでいるんじゃないかと恐ろしくなる。
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by mariastella | 2011-07-08 06:40 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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