L'art de croire             竹下節子ブログ

社民党や社会党のこと

フクシマという日本語は最近フランスでもっとも耳にする言葉になってしまった。フクシマさんという名の日本人がフランスに住んでたら困っているかもしれないなあ、と思う。
福島みずほさんは大丈夫かな、福島みずほさんの社民党は一貫して脱原発派でよかったなあ、とも。

そんなことを考えていたら、この語呂あわせで福島さんを揶揄している発言をネットで見つけた。女性差別発言でもある。日本で「社民党」と「女性」の組み合わせにはネガティヴな含意がいろいろありそうだ。

今のフランス社会党の大統領予備選にはセゴレーヌ・ロワイヤル女史とマルチーヌ・オーブリー女史という二人の女性が立候補している。

ロワイヤル女史は前回の自分自身のカリカチュアのような雰囲気だ。あれ以来離別したパートナーであったフランソワ・オランドが今回は最有力候補になっている。

私はオランドは生理的に嫌いなのだが、多分候補者たちの間で最も頭がいいと思う。
ジョスパンもシラクより頭のよさが際立っていたが敗れた。政治家は頭のよさで墓穴を掘ることもある。

今でもある意味不思議なのは、そもそも5年前になぜ、ロワイヤル女史が社会党予備選を勝ち抜いたのかということだ。

当時彼女に敗れたのは今ソフィテル事件で戦力外になってしまったたDSKとローラン・ファビウスの二人だった。

どう考えてもDSKとファビウスの方が本選ではサルコジを破る力があったような気がする。

誰も表立っては言わないが、

予備選でロワイヤルが勝ったのは、

彼女がフランス軍人の娘で、カトリックだったのに対して、

DSKとファビウスが共にユダヤ人だったからではないだろうか。

そして、本選でロワイヤルが敗れたのは、

彼女が女だったからかもしれない。

アメリカの民主党予備選で黒人の男オバマと白人の女ヒラリーとが争い、ヒラリーが優勢だったが、共和党との本選になると男には負けるだろうから、黒人でも男のオバマが戦略的には有利だという論評が存在した。

それを応用すると、5年前も、女よりは、「ユダヤ人でも男」の社会党候補なら勝っていたのだろうか。

「移民の二世でも男」のサルコジが勝ったのだから。

まあ、前回そのサルコジを選んでしまったのだから、今回の敷居はぐっと下がって、DSKのユダヤ性などもう誰も問題にしなくなった。来年の大統領選では最有力と言われていた。

しかしDSKはセックス・スキャンダルで自滅。

それにひきかえ、サルコジは「最低の大統領だが最強の大統領候補」だと言われている。

一番人気だったDSKが、ホテルのメイドから訴えられているこの時期に、妊娠中のおなかをあらわにした水着姿の奥さんと海辺のバカンスのツーショットを撮らせたりしている。

社会党候補たちがなりふり構わずテンションを上げている時に、ついこの前まで攻撃的で興奮していたサルコジは、口数が少なく、温和なそぶりを保持している。

サルコジが再選されたらフランスの崩壊は進むだろう。

社会党が17年ぶりに返り咲いたら、別の方向に破綻するだろう。

ヨーロッパ議会とのバランスやゴーリズムの求心力の有無によっても変わってくるだろうが。

ちなみにフランスでは与党はもちろん、社会党でも緑の党でも、脱原発は党是ではない。
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by mariastella | 2011-07-19 01:56 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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