L'art de croire             竹下節子ブログ

ヴァティカン銀行

先日書いた8人の枢機卿による改革委員会なのだけれど、実は教皇になったベルゴリオを含めて、コンクラーベの前から顔ぶれが決定していたそうだ(チリのJavier Errazuriz枢機卿が明かした)。では、ベネディクト16世による人選だったのだろうか。

フランス教会の関係紙はこれまで教皇の補佐として存在感のあったフランス人枢機卿が全く入っていないことに関して憶測を述べている。

でも、それならなぜ最初の会議が10月まで開かれないのか、それはフランシスコ教皇の意思ということなのだろうか。

スキャンダルの源でヴァティカン改革のもう一つの対象になっていたヴァティカン銀行(IOR、宗教財務院 :1942年に公認)も閉鎖する方向だそうだ。

フランシスコ教皇はブエノスアイレス司教時代に、財政難を切り抜けるためにIORの援助を受けているので心情的に難しいのではないかと言われていたのだが、イタリア銀行から免税処置を受けているこの銀行は新自由主義経済の中での脱税装置として機能してしまっていたから閉めるほかないのだろう。

これはカトリック教会がどうだとか陰謀がどうとかいう話ではなく、情報公開が少なく金の集まるところには違法に利益を得ようとするものが集まるのは世の常で、イタリアとなるともちろんマフィアも関わってくる。

1982年に、IORが筆頭株主だったミラノのアンブロジアーノ銀行が倒産した時は、頭取がロンドン橋の下で首を吊られたり、フリーメイスンでもあるアメリカ人聖職者が容疑を架けられながら逃げきったり、大スキャンダルになった。

すでに前頭取(聖職者ではない金融のプロ)は2012 年5月に解雇されていて、9カ月も新頭取が任命されぬまま、2013年初めにはイタリア銀行がヴァティカン銀行のATMを停止し、スイスの銀行が担保を保証してようやく再開、ベネディクト16世が退位する2週間前の2月15日にやっとドイツ人の新頭取エルンスト・フォン・フライベルクが任命された。

8 人委員会にドイツ人枢機卿が入っているのも含めて、こうして見ていくと、B16はさすがに、完全に力尽きてから去る前に、しかるべき道を示唆していたのだなあと思う。

7月4日までにヨーロッパ評議会の銀行監査があり、ヴァティカン銀行はとりあえずブラックリストから外してもらわなければならない。まず体質を変えてから組織を解体するということになるのかもしれない。
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by mariastella | 2013-04-19 23:56 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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