L'art de croire             竹下節子ブログ

帰ってきたベネディクト16世

名誉教皇ベネディクト16世(以下B16)が5月2日にヴァティカンに戻ってきた。

フランシスコ法王の住む聖マルト宿舎から300mしか離れていないMater Ecclesiae修道院の改修工事が終わったのだ。

普通の大司教などは定年でその任を解かれた後は司教区から離れて暮らすのが通例ということで、B16が元の場所に戻ってくることについて、懐疑的な意見もある。

この修道院は1994年の5月にヨハネ・パウロ2世が造らせたもので、クラリス会、カルメル会、ベネディクト会、聖母訪問会などが使ってきた。ヴァティカンの施政のために祈ってもらうことが目的だった。

今回は、これまでB16の世話をしてきた4人の在俗奉献女性が共に暮らすことになり、特別秘書のゲンスヴァインももちろん付き従う。

3月23日の会見以来、2人の教皇は電話でしかコンタクトがなかった。

B16は修道院に個人蔵書の一部も移し、研究と執筆と、新教皇と教会への祈りの生活に入ると言っている。

盛夏にはカステル・ガンドルフォに戻ることもあるらしい。

ということは、健康状態が悪化していたという話は、杞憂にすんだのだろうか。

現在カトリック教会のナンバー3の地位にある国務長官代理のAngelo Becciuは5月1日のオセルヴァトール・ロマーノで、教皇庁の改革についてのさまざまな噂を否定して、教皇がまず、4月13日に任命した8人の枢機卿の意見を聞くまでは具体的な改革案を語るのは時期尚早だと言っている。

しかし、改革の骨子は実は、ヨハネ・パウロ二世が1988年に発布したPastor Bonus にあるのでそれをどう生かすかというところに落ち着きそうだという声もある。
またB16は3月の会見の折に神学者としての精魂を傾けた最後の教書の草案(30-40P)新教皇に手渡したとも言われていて、新教皇は「信仰の年」の締めくくりに出す教勅にそれを使うだろうという記事もある。

そういう記事をいろいろ読んでいると、フランシスコ教皇が登場したからと言って「今まで腐敗していた教皇庁がついに改革に」というような話ではなく、少なくとも歴代教皇の思いはどこかでつながって大きな流れに向かっているような印象も受ける。

そういうのを「聖霊の働き」とよぶのかもしれない。
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by mariastella | 2013-05-03 05:27 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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