L'art de croire             竹下節子ブログ

原発廃炉産業の未来って・・・

火曜の夜、独仏TVのArteで、原子力発電所の廃炉問題についてやっていた。

結局フランスが原発を続ける理由は、強力なロビーや利権は別としても、廃炉する予算がない、稼働し続ける方が今の時点では最も経済的、というのが一番大きいようだ。

ドイツの方は、廃炉はともかく、原発をやめてしまうことで、少なくとも処理する廃棄物の量だけは特定できるから現実的だ。

処理の仕方がまったく分からないままの技術を膨大な金をかけて産業にしてしまったことは信じられないが、それを言うなら「核兵器」開発などというのも正気があればできないはずなので、戦争という殺し合いの一連の狂気の中で原発も生まれたということだろう。

ドキュメンタリーの後で、ドイツ人とフランス人が並んでインタビューを受けていたのだが、論点が、

ドイツはこれから廃炉技術でブレイク・スルーがあるかもしれない、そうしたらその技術を他の先進国に売ることができるので廃炉産業で大儲けする可能性がある、

それに引き換えフランスは原発継続に凝り固まっているから遅れをとる、ということに移って行った。

その中で、日本だって、もはや多くの原発が稼働していないのだから代替エネルギーの開発や廃炉技術の研究がさぞや着々と進められているに違いない、というようなコメントがあった。

でも私の印象では、日本では廃炉技術開発や廃棄物処理技術開発よりも原子力ロビー対「再稼働反対」勢力の対立に多くの時間とエネルギーが投入されているように見える。

廃炉や核廃棄物処理技術にブレーク・スルーをもたらすような原子力工学者が生まれるモチヴェーションも予算もないのではないかと心配だ。

ともかく現実的な結語としては、20世紀にここまで無責任な核開発を続けてきた世代が今目指すべきことは、一気解決というような不可能なことではなく、とりあえず今の世代とその子供たちの生きている間だけは何とかカタストロフィが起きないだけの処置をしておくことだ、というコメントがなされていた。

核兵器の廃絶の方もいっしょにやらないと危機管理にはならないと思うが。

20 世紀の核エネルギー開発が、21世紀の子供たちを危機に陥れている。

今の子供たちは本当に無事に暮らせるのだろうか。

伊藤計劃の『ハーモニー』の世界で起こる「大災禍(ザ・メイルストロム)」は半端でないくらいリアリティがある。

と、すごく暗い気分になったところで、ニュース専門チャンネルを見てみると…

さらに暗いニュースをやっていた。

ますます八方ふさがりの気分になったのだが、そこで、ある人が現れた。

ほんの1分ほどの語りだったが、希望はあるもんだなあ、とその後気持ちよく眠ることができた。

それについてはまた明日書くことにしよう。
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by mariastella | 2013-05-23 00:02 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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