L'art de croire             竹下節子ブログ

リタイアを告げるカード

サロン・ド・プロヴァンスのノストラダムス記念館の館長として長く活躍し、1999年の節目もクリアして生き抜いてきたアルマン女史が、6月1日付けで引退した。

リタイアの挨拶のカードには、表にノストラダムスの『予言書』の表紙の写真があり、

開くと、まるで予言書の文句のように、

  明日、2013年6月1日、

  私は引退生活を満喫するために遠くに行くだろう・・・・


という「予言」が書かれている。

次のページにはシュリ=プリュドムの詩『失われた時』の一部が引用してあった。

Le temps perdu

Si peu d'oeuvres pour tant de fatigue et d'ennui !
De stériles soucis notre journée est pleine :
Leur meute sans pitié nous chasse à perdre haleine,
Nous pousse, nous dévore, et l'heure utile a fui...

"Demain ! J'irai demain voir ce pauvre chez lui,
"Demain je reprendrai ce livre ouvert à peine,
"Demain je te dirai, mon âme, où je te mène,
"Demain je serai juste et fort... pas aujourd'hui."

Aujourd'hui, que de soins, de pas et de visites !
Oh ! L'implacable essaim des devoirs parasites
Qui pullulent autour de nos tasses de thé !

Ainsi chôment le coeur, la pensée et le livre,
Et, pendant qu'on se tue à différer de vivre,
Le vrai devoir dans l'ombre attend la volonté.

(Recueil : Les vaines tendresses)

このうちの

"Demain ! J'irai demain voir ce pauvre chez lui,
"Demain je reprendrai ce livre ouvert à peine,
"Demain je te dirai, mon âme, où je te mène,
"Demain je serai juste et fort... pas aujourd'hui."

というところだ。

すなわち、

 明日だ、貧しい人を訪ねるのは明日にしよう。
 明日だ、読み始めた本をもう一度手に取るのは明日だ。
 明日だ、私の魂よ、明日になったら私の行く道を示そう。
 明日になれば正しく強く生きてみせる、今日じゃない。

その下にアルマンさんは、

 今日のところは、ただこれだけ、

 さようなら、そして、ありがとう

と付け加える。

彼女のところには個人的にも取材に行ったし、テレビ番組の撮影では鏡リュウジさんらといっしょに行った。

ソルボンヌの16世紀文学の学会でも何度かいっしょになった。堂々としているがどこかかわいい人だった。

こんなしゃれた引退の挨拶カードを見たのははじめてだ。

おつかれさまでした。
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by mariastella | 2013-06-01 06:48 | フランス語
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