L'art de croire             竹下節子ブログ

ダスティン・ホフマンの『Quartetカルテット』

ダスティン・ホフマンの監督作『Quartetカルテット』

リタイアした音楽家たちが集まる老人ホームに往年のオペラのディーヴァがやってくるが、そこには彼女の浮気が原因で別れた最初の夫もいた。昔の仲間たちがはたしてもう一度伝説の四重唱を復活させられるのか、という話。

このホームが大小の音楽室もある豪華なもので、庭のあずまやでもアンサンブルを弾けるし、誰でも自由に楽器を弾いたり歌を歌えたりできる。

そのホームの存続をかけたガラ・コンサートにディーヴァは協力してくれるか。『シスター・アクト』みたいな展開である。実際、『シスター・アクト』で修道院長をやったマギー・スミスがディーヴァ役をやっているのだ。

設定も舞台も話も私のツボにはまっているので、ストーリーの展開のテンポなどいろいろ「いまいち」なところがあっても全然気にならない。

背景がすごくイギリス的で、俳優もイギリスの舞台俳優やらイギリスの本物の歌手や演奏家を起用している。

今年のヴェルディの生誕200年イベントがとりいれられていて、もとの戯曲も、ヴェルディが晩年にミラノに設立したという音楽家のリタイア・ホーム「ラ・カーサ・ヴェルディ」のドキュメンタリー番組にインスパイアされて書かれたそうだ。音楽とヴェルディが好きな平均年齢80歳の音楽家が今でも60人くらい住んでいるという。

75歳だというダスティン・ホフマンの監督第一作のヨーロッパ・テイストに驚かされた。昔はジャズ・ピアニストになりたいと思っていたそうなのだが、ともかくもっとアメリカンな人かという印象があった。

でも、こういう舞台背景と個性的な登場人物を見ていると、なんだか過去の復讐劇を伴ったミステリー映画だったらもっとおもしろかったのに、と思ってしまった。この雰囲気で犯罪が何も起こらないのは映画としてもったいないくらいだ。
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by mariastella | 2013-06-04 05:46 | 映画
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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