L'art de croire             竹下節子ブログ

「フランスの勝利」というタイトルの記事が出た 

アメリカとEUの間でも自由貿易(関税撤廃)の交渉が視野に入って来ている中、EUの中でフランスだけが、「文化に関しては絶対に交渉の対象としない」と他の26ヵ国に対して譲らなかったのが、ついに通った。

アメリカとの貿易では欧州でも、すでに遺伝子組み換え穀物(ヨーロッパでは禁止)が家畜の飼料として入って来ているなどさまざまな問題があがっているのだけれど、それでも自由貿易による「経済効果」を見込む勢力が優勢になっている。

日本のTPP交渉の問題では日本にとっての聖域はコメだから規制撤廃対象外して守るべきだなどという話も聞くが、それならフランスにとっても国民食であるパンの元となる小麦だとか乳製品を必死に守るのかと思っていたら、聖域は「文化の多様性」だった。

具体的にはオーディオ・ビジュアルで、たとえば現在ヨーロッパのテレビは映画の放映に関し50%以上がヨーロッパ映画でなければならないという規制があるが、それが守られるということだ。

ここを聖域にしないとテレビはアメリカ映画に席巻されるかもしれない。

EUの議論の場にはハリウッドを舞台にしたフランス映画でアカデミー賞を受賞した『アーティスト』の主演女優であるベレニス・ベジョの姿も見えた。

文化を経済効果や市場原理で扱ってはならないということだ。

それは「人間」を市場原理で扱ってはならないということに通じる。

フランスの政策に関しては近頃特に???の部分もたくさんあるのだけれど、こういう場面でフランスらしさをごり押しして通してしまう信念には久しぶりに感心させられた。
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by mariastella | 2013-06-16 02:41 | フランス
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