L'art de croire             竹下節子ブログ

閑話休題 : 『ウルヴァリン SAMURAI』を観た

『ウルヴァリン SAMURAI』(ジェームズ・マンゴールド)を観た。

『X-MEN』も観たことがないし、興味がないし、アメリカン・コミック原作映画自体あまり興味もない上に、何度も書いたが「もうこれからの人生でわざわざヴァイオレントな描写やホラーやスプラッターの画像(カタストロフィや事故や戦争を含む)を見にいかない」と決めたのに、アクション映画を見てしまったのだ。

ウルヴァリンというのはヒュー・ジャックマン演じる『X-MEN』人気キャラクターで、その外伝のようなエピソードらしい。

たまたまTVのニュース番組で紹介をやっていて、芝の増上寺らしい風景が現れたことと、長崎の原爆で被爆してミュータントになったという場面もあり、新幹線の車両の上での戦いシーンと、それをスタジオで大型扇風機みたいなのを回しながらやっている様子をあわせて紹介しているのを目にしたので、なんとなく見てみたくなったのだ。
スペインで高速鉄道が大脱線事故を起こしたばかりで、日本の新幹線の無事故ぶりに改めて思いが至ったこともある。

ヒュー・ジャックマンはオーストラリア人だそうだが、ともかくこういうハリウッド型のアクションスターが日本にやって来ていろいろやるのを見ると『ブラック・レイン』へのノスタルジーもそそられる。ブラック・レインもタイトルそのものに原爆のイメージが重なっていた。

今の東京なら欧米系外国人もけっこういると思うのだが、この映画では白人は主人公と、もう一人アメリカの化学者という女性の悪役だけである。ふたりとも典型的なアメリカンな「映画スター」の外見だ(そういえば、「白人女性」は他にも出てきた。ヒロインの婚約者である大臣が痴態を繰り広げている部屋に複数いたセックス産業系の女性だ。当然彼女らも日本人がこの種のシーンでイメージする典型的な外見の白人女性である)。

で、この映画の日本で唯一の白人男であるヒーローは「ガイジン、ガイジン」と呼ばれ続ける。その辺が、なんだかなあという感じ。

彼をとりまく日本人の女性は2人ともアジアン・ビューティ系のファッション・モデルだ。
日本国内のモデルはハーフの女性が人気だけれど、国際的に活躍するモデルは日本的な雰囲気の人が強い。
華奢でしとやかで武道も達者という設定だが、対照的な雰囲気の2人とも演技に説得力がある。
TAOは体がきれいでかわいいし、福島リラは初音ミクのコスプレをしている写真が一番ぴったりくるようなCG的なキャラだ。

『ブラック・レイン』やなんかのアクション映画と違うのは、銃撃戦がほとんどないことかもしれない。

何しろSAMURAIだから、弓矢や刀がたくさん出てくる。
他には化学者の蛇女がまき散らす毒で、寄生虫みたいなものを心臓に送りこむことすらできる。

ヒーローのミュータントも武器は格納可能な特殊金属製の爪であり、これがシャキーンと出てくるので、怖いと言えば怖いが猫みたいなやつだなと思う。

あまりにもゲームみたいな展開だから、ヴァィオレンスといっても、酷薄さや倒錯がないので後をひかない。

雪国の忍者の山里みたいなところにそびえるハイテクのタワーとか、設定も非現実的なので長崎の海辺のロケなどとのギャップがあってそれもまた楽しいと言えば楽しい。

もし私が日本に住んでいたら絶対に見なかった映画だとは思うけれど。
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by mariastella | 2013-07-27 08:21 | 映画
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