L'art de croire             竹下節子ブログ

スコットランド、独立どころじゃなくなった

イスラム国にアメリカ人ジャーナリスト二人に続いてイギリス人の人道支援活動者が殺害されたというニュースが入った。

日本では、私もそうだが、「ブリティッシュ」といわずに「イギリス人」という。

でも今回殺害されたのはれっきとしたスコットランド人であり、キャメロン首相はこれでスコットランド独立問題は一時停止にしててイスラム国への攻撃を優先事項にするといって国民を結集し始めた。

キャメロンにとってタイミングがよすぎではないか、といぶかるフランス人もいるが、確かに、今スコットランドが独立しても軍事、防衛をどうするかという問題がすぐに出てくるから、「テロリストとの戦い」にはUK軍の力を結集する必要がある。

それに…今の中東でのテロリストの進出は、もとはと言えば2003年の英米軍の一方的なイラクへの侵攻がきっかけになったわけだが、あの時に民主主義の十字軍気取りのブッシュ大統領を支持してUK軍の派遣を決めたのは、労働党のトニー・ブレア首相だった。 で、そのブレア首相は、エジンバラ生まれのスコットランド人だ。

もし2003年にイングランド人首相がスコットランド議員の反対を押し切ってイラク派兵を決めた、というような展開だったとしたら、「イングランドの政策のせいでスコットランド人が犠牲になった」という恨みも加わっていたかもしれないが、そうはならない。

日本人の人質の運命がどうなるのかはまだ分からないけれど、こうなったら、恨みのシンボルとして、「白人」や「アングロサクソン」の外見をもたない方がリスクは少ないかもしれない。

逆に言えば、日本人は外交でどうふるまったって、国際的に見たら外見が非白人で非アングロサクソンなのだから、それを与件として、独自な道を探究するのが得策だろうと思う。

その「見た目が違う」カードを使えないアジアの隣国との関係ではまた別の知恵が必要だろうけれど。

オバマ大統領も戦闘モードでノーベル平和賞はどこに?という感もあるが、こういう「共通の敵」への戦闘モードがどの国でも、国民を大連帯へと誘導していく様子は嫌な感じだ。

「武器を作るな、売るな」という大きな方向からはどんどん離れていくのが、手に取るようにわかる。
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by mariastella | 2014-09-14 22:36 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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