L'art de croire             竹下節子ブログ

ギリシャ危機とギリシャ正教 その1

ギリシャ危機について、莫大な資産を持っているギリシャ正教が課税されていないのが問題だとか、そもそもギリシャ正教がこれほどの資産を持つようになったのは、オスマン・トルコに侵略された時代に、正教の教会は一定の自立を許されていたので人々が自分の財産を失うよりはと教会にこぞって寄進することで守ろうとしたからだとか、いろいろな言説がある。

ここでその実態についてもう少し考えてみよう。(出典はJordan Pouille によるルポ: La Vie 3647)

まず税金の話。

教会で捧げる蝋燭の購入による収入には税金がかからない。

教会に遺贈される金品への課税は0,5%。

結婚式や葬儀による収入への課税は2,4%。

典礼や慈善に使われる建物については固定資産税が免除。

国から支払われる聖職者の給料は2010年からは一般公務員と同じ税率になった。

また、教会はその税金の55%を他の国民の一年前に前納することになっている。

2012年、アテネ大主教ヒエロニムス二世の語るところによれば、土地を持たない小作農や小アジア半島からの亡命者たちのために、教会所有の土地の96%がすでに国によって借り上げられている。

その賃料の課税率は20%ということだ。

今のギリシャの財政状況や緊縮策から、これらの数字をどう見るか。

ギリシャの暮らしを見ていて分かる宗教共同体の意味は日本やフランスで暮らしていてはとても想像がつかない。

たとえば、エーゲ海のサロニコス諸島のイドラ島(ここでは唯一の移動手段はロバ)には島民3000人に対して300の教会がある。

朝早く蝋燭を捧げに来た婦人が聖具係のポケットに封筒をすべりこませる。
日本人的感覚ならこれは現金のお布施?と思ってしまうが、なんと電気料金の請求書だ。
ここでは、最も貧しい人の請求書を教会が払っているのだ !

(続く)
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by mariastella | 2015-07-26 18:57 | 宗教
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