L'art de croire             竹下節子ブログ

フィレンツェに行ってきた

去年上野でウフィツィ美術館展を見て早くフィレンツェに行きたくなったと書いた。

ようやく丸4日ほどだけれどフィレンツェに行ってきた。

フィレンツェのホテルのTVで見たフランス語放送(フランス24)はほとんどがヨーロッパへの難民の話、溺死した3歳の子の浜辺の画像をめぐっての大騒ぎと、中国の戦勝記念パレードの話ばかりだった。

日本と中国についての特集番組があって、「ドイツは謝罪したけれど日本は一度も謝罪していない」とまくし立てる中国人女性が出てきて驚いた。

フランス人の評論家はかなりまともなことを言っていたが、かなり高飛車な態度でそれにかみついていた。
若い女性にがちがちの「政府見解」をテレビでしゃべらせるのは、中国政府からの働きかけなのだろうか。

あまりにも不自然でなんだか逆効果だった。

驚いたのは他のフランス語放送をさがしていたら、3つも中国制作のフランス語放送があって、そのうちのひとつがやはり日本についてのドキュメンタリーを流していたことだ。すごい情熱だ。
安保法案反対デモなどについてはほとんど耳に入らなかった。

帰仏してからネットで8/29の「アジア反戦大作戦」の話を読んで、パリでは兵役拒否でフランスに亡命した韓国青年が安保法案の危険性を訴えたとある。ネットでつながることができる時代だから、ナショナリズムに陥らないようにアジアと連帯というのは楽しそうだ。

さて去年上野でウフッツィ美術館展を見て、山種美術館に行く度に途中にあるダヴィデ像を眺めまわし、ああフィレンツェに行かなくちゃと思っていたのを実行したのだけれど、フィレンツェがはじめてという人二人と一緒だったので4日間でエッセンスを見て回るプランを立てた。

このところどこか旅行する度に、詳細に記録してくれている誰かのブログの旅行記を参考にしていたのだけれど、フィレンツェって、観光と美術鑑賞と宗教との兼ね合いがわりと微妙なところで私にとってのちょうどいいプランの例がなかったので自分で考えた。

ルネサンス美術に関してなら若桑みどりさんのフィレンツェ案内でも読めばいいことだけれど、この4日間のスケジュールは結果的になかなかよかったのでどなたかの参考になるかもしれないのでひとまずそれを書いておく。モード系や食材系ショッピングには興味がない。ショッピングは文房具やカタログや写真集や本のみ)。

泊まったのはサンタ・トリニタ橋近くのトルナブォーニ通りのトルナブォーニ・ベルッチ。部屋の窓の外が塀しか見えない中庭だったが天井の高いスィートルームだったので気にならなくて済んだ。

1日目の午前中。

サン・ロレンツォ教会とメディチ家礼拝堂。聖遺物入れフェチなのでメディチ家礼拝堂のコレクションを堪能できてうれしかった。
アルノ川を超えてサン・スピリト教会、庶民的なラ・カーザリンガで昼食後パラティーナ美術館鑑賞。ここのカフェテリアのフレッシュフルーツジュースのスムージーは美味しかった。フィレンツェの伝統工芸紙イルパピロの制作実演を見学。ヴェッキオ橋を渡ってシニョリーナ広場を散策。市場のイノシシ像を見てオステリア・デル・ポッチェリーノで夕食。

2日目は予約済みのウフッツィ美術館。

遅い昼食は出口近くのトラットリア・アルフレードで。

午後も予約済みのアカデミア美術館。

この二つの美術館は情報量が多すぎるので前者4時間、後者3時間と割り切って選択的に鑑賞。他の所を回る余裕は心理的にもない。いったんホテルに戻る。

ココ・レッツォーネで夕食。アルノ川を渡って、サンタ・モナカ教会でイタリア・オペラのアリアを聞くコンサート。この種のコンサートはいつもそうだけれど、ピアニストや歌手と同じ目線で息づかいや体温まで感じられるので、その後も曲がずっと頭の中に流れていた(10歳から17歳までイタリア歌曲の個人レッスンを受けていたので楽譜はフランスにも持ってきている。帰宅してからまた歌い始めた。健康に良さそう)。

完全にツーリスト向けだけれど、ウフィツィとアカデミアの後では、このコンサートは絶対必要だったと思う。目からの情報の飽和を緩和していい具合に消化を助けてくれる。宗教音楽でないのもよかった。

3日目。

朝一番にドゥーモの脇にあるジョットの鐘楼に上る。
その後、週日は午前中しか開いていないサン・マルコ美術館へ。
修道院の独房の一つ一つをのぞいてフレスコ画を鑑賞できるのはユニークで楽しい。

フラ・アンジェリコの表記がすべて「ベアート・アンジェリコ」に変わっているのに感動した。
福者になったのは1982年でJP2の時代だったなあ、と思い出す。

そういえば、今回のイタリアでフランシスコ教皇のにこにこ顔の写真やメダルがどこでもたくさん売っているのが新鮮だった。彼の時代になってはじめてのイタリアだからだけれど、話題性のある人で新聞雑誌で見る頻度が高いのでイコンになっているのを見ると親近感があって不思議だ。

その後ドゥオーモに戻り広場でピザを食べ、サン・ジョヴァンニ洗礼堂の中へ。
扉の鑑賞は後。
それからゆっくりドゥオーモを見る。

その後、タクシーでアルノ川を越えてミケランジェロ広場に行く。
サン・サルヴァトーレ・アル・モンテ教会とサン・ミニアート・アル・モンテ教会に行く。
アルノ河畔に下りて川沿いをサンタ・トリニタ橋まで歩く。途中でジェラートを食べた。

サンタ・トリニタ教会を訪ねる。夕食はホテル近くのマリオーネ。人がいっぱいでにぎやかだけれど地下は静かで落ち着く。

4日目、

サンタ・クローチェ教会。ミケランジェロの墓所に彼の彫刻がないのは不自然なくらいで気の毒。

昼食は老舗のオステリア・ベッレ・ドンネで、

最後がサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。

サンタ・クローチェもここも修道院の教会なので、見どころはたくさんある。

夕方タクシーで空港へ。空港が近くて助かる。パリははEU内便なので手続きも楽だ。

今回行けなかったところもいろいろあるのだけれど、正直言ってこの日程でこれだけ見れば、もう飽和状態だ。

(続く)
[PR]
by mariastella | 2015-09-06 23:01 | 雑感
<< フィレンツェ症候群はあるか  ... オーデュボンという人 >>



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
以前の記事
カテゴリ
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧