L'art de croire             竹下節子ブログ

ミッシェル・コロン

自分の住んでいる国についての時事議論読むときは、現実の自分の立ち位置によるバイアスがかかってなかなか客観的になれない部分がある。

またある程度以上の大きさ、人口の多さ、歴史の古さを持った国についての分析も、情報リテラシーを養うため投入することが必要な変数が多すぎる。
その意味で、ヨーロッパでフランスと地理的に近くて、程よい大きさで歴史も相対的に単純なベルギーからの分析というのは役に立つ。

フリー・ジャーナリストのミッシェル・コロンのサイトはフランス語にも訳されているので重宝するし、難民流入が秋の社会問題の避雷針になっているという最近の記事の指摘はなるほどだと思った。

難民の援助が社会の負担になるというのは嘘でむしろ益になるというのは納得できる。

困難な状況を超えて新世界でのサヴァイヴァルを目指してヨーロッパにたどり着いたような難民はもうそれだけで、体力、精神力が大きく気力も充溢していて、もっといえば「運」もある人たちだと言えるだろう。

その一つでも欠けている人は国を捨てていないか、途中で淘汰されているだろう。

彼らは当然どんな条件でも何時間でも低賃金でも働きぬく覚悟がある。

資本家側にとっては美味しい存在であるのは当然で、「労働問題」を楽々と回避できる。

低賃金に甘んじていた東欧からの労働者はそれでもヨーロッパ人だから、搾取がだんだんと難しくなる。

戦争難民たちはビザが出れば就業できるが国籍を与えられるわけではないから別枠として「活用」できる。

ただ、ミッシェル・コロンの言っていることは他にもいちいち「目からうろこ」のことが多いのだけれど、その「メディアの嘘を暴く」という姿勢と「陰謀論的アプローチ」がニアミスすることもあるので、時々警戒心も抱かされる。

当然ながら敵も多い人だから、「論敵の言うことも読んでみようか」となるからだ。

ミッシェル・コロンを支えるグループの無償の熱意を見ていると堅固さが感じられるのだが、そこから派生する陰謀論的言説に足を取られないように自戒している。
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by mariastella | 2015-09-12 02:16 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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