L'art de croire             竹下節子ブログ

パリの奇跡の治癒の話 その7

(これは前回からの続きです)

私はこの集会に最初から「潜入取材」のつもりで来ていた。

カリスマ刷新運動の集会に匿名で誰からも「勧誘」されたりしない状態で参加できる機会はそうないし、パリの真ん中でしかも普通の教区教会の中だから、一番無難だろうと思ったのだ。

で、配られた歌詞の紙に歌われた順番を書き入れたり、いろいろなメモを取ったりして、後から紙を回収されると聞いてあわてたことは先に書いた。

こんなことならちゃんとノートを持参すればよかった、と後悔した。

それにしょっちゅう何かを書き留めているのを周りの人や絶えず巡回しているスタッフに見つかったら気まずいなとも思った。
自粛する。

すると私の横に立っていた黒人女性(黒人の割合が多く、アジア人は私の見た限り、重病そうな女性が一人座っていただけだった)が小さな紙に熱心に何か書いていた。

「あれ、こんな人もいるんだ、この人も取材 ? ちゃんとノートを用意していて堂々と書いていてえらいなあ」

と親近感を覚えた。

神父が去ってから、それが何を意味していたか分かった。

皆が祭壇の前に集まって、「願い事」を書いた紙をカゴの中に入れていたからだ。

あの女性は、願い事を真剣に書き込んでいたのである。

みなひざまずき、カゴに紙を入れて祈っている。

数が多いので床にも直接置かれている。

ふと見ると、脇のチャペルでひときわたくさんの蝋燭が献げられている場所があった。

そこにも人がたくさん集まっている。(続く)
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by mariastella | 2015-10-04 01:16 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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