L'art de croire             竹下節子ブログ

猫マウンティング

子供のためのバロック童話のデジタル紙芝居の音源を製作者に送るための録音が明日で3日目。万聖節の休暇だというのにラッシュアワーの電車に乗っている。

帰ってきたら、私がいないことに慣れていない猫ズにまつわりつかれる。

かわいい。

私はいわゆるマウンティングとは縁のないタイプだと思っていた。

何かを手に入れたりいいことがあったりしても、それを他人に見せびらかすという気はさらさらなくて、むしろ目立たないように隠しておくタイプだ。

人に自慢することで優越感によってより満足を得られるというタイプの人の心理は分からないと思っていた。

でも、猫に関しては違うのに気がついた。

うちには「トリプルK」の猫が2匹いる。

「かわいい、かしこい、カッコいい」のスピノザくんと、

「かわいい、こわがり、くいしんぼう」の万年中二のイズーくん。

このイズーが、いわゆるツンデレで、なかなか膝に上がってこないし抱っこもさせてくれない。

でも、気が向いたら、自分から膝の上にやってきて腹を出して寝てゴロゴロ言う。

その時はすごく幸せな気分になるのだけれど、得意な気分にもなって、

なんだか、その姿を誰かに見せないと損だという気分になる。

イズーが私以外の家族の膝で同じことをしているともちろん嫉妬してしまうのだけれど、それとは別に、ともかく、「イズーに好かれている私」の姿を誰かに見せて悔しがらせることで幸せ感が倍増というのが実感なのだ。

そのつまらない見栄があまりにも強いので、その時だけ、

「ああ、誰かに会うとあれこれ自慢話とかをしてマウンティングせずにいられない人の心理ってこういうのだろうなあ」

とすごく理解できる。

猫ブログなどで、夫婦がやはりどちらがツンデレの猫により好かれているかについて火花を散らすというのがを見かけるから、かなり普通のことみたいだ。

猫に対してだけそうなるのだろうか。不思議だ。

しかも、猫が一瞬そういう友好的な態度をとってくれても、実は、それはこちらが特に好かれているからなどと関係なく、猫は全然別のロジックでそうやっているのだということも、よくよく分かっている。

つまりそれが一瞬のことで、偶然で、自分が幸運だっただけで、自分の手柄でないことはよく分かっている。

そういうものに限って「自慢したい」ということなのだとしたら、人にあれこれ自慢する人って、その幸福が一瞬で、偶然で、自分の手柄でないってことを自覚しているからなのかもしれない。037.gif
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by mariastella | 2015-10-20 03:16 |
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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