L'art de croire             竹下節子ブログ

パリのテロと日本

テロの話にあまり深入りする気はなかったのだけれど、ブログに訪れる人が多いので、もう少し。

リテラのサイトを見て変だなあと思った記事がある。

パリのテロは日本も標的だったとか、日本食レストランが襲われたとかいう話だ。

日本が首相のイスラエルとの関係や人質殺害でISに報復するようなコメントを出したこともあってテロの危険があるのは間違いがないと思う。
でも少なくとも今回のフランスのテロとは関係がない。

襲われたカンボジア料理レストラン(これはカンボジア人がやっている)の近くの日本食料理店(多分中華系だろうけれど)が、負傷者の応急避難所として開放され、交通がストップしてうちに帰れない人をも受け入れて世話をしたことはこちらでも報道された。

でも日本レストランが襲われた事実はない。

今回の標的となったレストランやカフェの選択は、多分テラス部分が広いということだと思う。

フランスは飲食店内部における完全な禁煙法が施行されてから、喫煙者のために外にテーブル席を用意する店が増えた。

例年より暖かいとはいっても11月のパリの夜のテラス席に人を集めるためにみないろいろな工夫をしている。

はじめの頃は、ストーブをおいたりしていたけれど、今はさまざまな趣向をこらして、「屋内」ではないけれど「屋内」風のテラスが秋以降には活躍する。

庶民的な街、おしゃれな街、若者の集まる街の夜は、喫煙者を交えたグループが少なくないから、そういう場所は少なくない。

今回の飲食店テロは車の中からの(を待たせたまま外からの)銃撃というのが基本だから、テラス席に人が多い場所をねらったのだろう。

カンボジアとかイタリア(ピザ・レストラン)とは関係がないと思う。

まして日本など頭になかっただろう。

それを言うなら、今回多くの死者が出たバタクラン・コンサートホールでは一週間前に日本のゲームの音楽リサイタルが開かれていて日本人客や日本のゲーム文化ファンも多かったのだから、日本への警告がメッセージにあるならそちらが狙われていてもおかしくない。

今回の日と時間の選択は、できるだけフランス大統領に近づきやすい場所で、フランス・ドイツ戦のあったフランス・スタジアムに大統領がいた時と場所の効果を狙ったものと思われる。

エリゼ宮近辺とかエッフェル塔近辺は警護がありすぎて不可能だからだ。

シャルリー・エブド襲撃の地点と近いということも「またか」という効果を狙ったのかもしれない。

いろいろな「識者」だの「政治家」が話しているが、大きく分けて、

シリア大統領やプーチンがフランスを攻撃したわけではない、この際だから敵の敵は仲間ということで彼らと手を組んで徹底的にISを叩け、という人と

イラクやリビアの教訓を忘れたのか、アルジェリア戦争を忘れたのか、戦闘はますますカオスをもたらすだけだ、外交、外交で、中東諸国が自力で解決するのを助けるのが最善だ、という人がいる。

「絶対平和」を説くのはもちろんカトリック教会だが、司教たちの談話を比べると興味深いものがあったので、それはまた後で紹介しよう。
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by mariastella | 2015-11-15 21:00 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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