L'art de croire             竹下節子ブログ

フランシスコ教皇とキリル総主教

今日はフランシスコ教皇とロシア正教のキリル総主教がキューバの空港で会う日。明日のニュースが楽しみだけど、一週間前に会見予定が公表されてからわくわくしている。

1054年に互いに破門しあってから、東方正教とカトリック教会は長い間互いを敵視してきて、パウロ六世時代にコンスタンティノープリ大主教と和解して破門を解き合ってからもロシア正教とだけは出会いが拒否されてきた。

ロシア正教は、15世紀にビザンティン帝国がオスマントルコに滅亡させられてから、事実上東方正教の代表格となった。信者数も一億三千万人と正教最大だし、ビザンティン皇帝の姪がイワン三世と結婚したことによって政治的正統性も受け継いだ形になっていたのだ。

共産党とキリスト教と国際政治の関係を見るとおもしろい。

冷静時代。ソ連共産党は無神論を標榜し正教を弾圧。共産主義キューバもカトリック系を弾圧。二国はなかよし。

共産圏に二つあったカトリック国ハンガリーでハンガリー動乱、ポーランドでソリダノスク運動、ヨハネ=パウロ二世に鼓舞され、冷戦が終わる。

ゴルバチョフはロシア正教に接触。「ほら、ぼくたちも、もともと由緒あるキリスト教文化圏だもんね」とアピールし正教の文化力外交力をフルに使い始める。

それでも「総主教」の権威を保つためエキュメニカルからは距離を置く。ローマ教皇との会見は拒否。

ところが、あれあれ、キューバが教皇と接触し、ついにアメリカとも和解し、ヨーロッパにもやってきた。

ロシアが支援するシリアのアサド政権と同じシーア派のイランのロウハニ大統領までヴァティカンに来て教皇に「私のために祈ってください」なんて言っている。

まさか今さらヴァティカンに表敬訪問するわけにもいかない。で、キューバで会うことに。

政治情勢とイデオロギーの対立が変遷しても、どんなに迫害されても、世界中に張り巡らされた聖霊ネットワークなのおかげなのか、なぜかいつも火種を残し、ここぞという時に「普遍宗教の輪」を回復して紛争解決のために平和のバイパスを用意してきたキリスト教はすごいし、キリル一世やフランシスコという非常に優秀で情報発信力もある霊的リーダーが活躍してくれるのは嬉しい。

ここのところ、アサド軍とロシアによる激しいアレッポ空爆の様子に暗澹としていたところなので、メルケルやオバマがプーチンと交渉してもできないことでも、フランシスコ教皇とキリル総主教を経由すれば何とか別の道が開けるかもしれない、と思えてくる。

聖霊、がんばってほしい。
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by mariastella | 2016-02-12 23:15 | 宗教
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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