ドナルド・トランプがKKKのバリバリの人種差別者Duke Davidに支援されたことについて
「KKK? そんなグループ知らないよ」
と言ったそうだ。
プアホワイトに支持されているとはいえ黒人票も大切だからね。
Duke Davidの方は、トランプが大統領になるために必要なら否認されてもOKと言ったそうだ。
トランプの父親は、1927年に、NYでKKKの行進が暴動に変わった時に逮捕されたことがあって、
「プロテスタントのネイティヴ・アメリカ人がローマ・カトリックの警官から攻撃された」
というビラがまかれたという。
当時のNYの警官の多くがアイルランド人だったからだ。
トランプのDNAには黒人差別もカトリック差別もありそうだ。
イングランドから来たプロテスタントが「ネイティヴ・アメリカン」というのは、マーティン・スコセッシの『ギャング・オブ・ニューヨーク』を思い出させる。
19世紀中ごろの話で、アメリカはもともと先住民を弾圧した移民モザイク国家だと我々は考えるけれど、WASPの移民子孫は自分たちを「ネィティヴ・アメリカン」と称して、大量にやって来るカトリックのアイルランド人移民を差別しようとした。
政治家は両方を利用しようとしたがWASPとカトリックはギャング団を形成して争う。
映画の中でディカプリオが
「毎週一万五千人のアイルランド人が来る。団結すればギャングじゃなくて軍隊だ。」
と言うシーンがあるが、これって、今のヨーロッパの大量の中東難民のことなどを思うと、どきっとさせられる。
スコセッシはシシリア系イタリア人(でもNY生まれだからネイティヴ ?)で、イタリア人はアイルランド人より後に来てマフィアをつくった。
フランスにも大量のイタリア移民がきたけれど、カトリック・ルーツが同じで、そこからの離反具合も似ていたせいか、二代目以降にはほぼ完全に「普通のフランス人」になっている。
アメリカは今年のアカデミー賞でも黒人差別を抗議するボイコットがあったし、人種も宗教も何でも差別や軋轢の原因となる国で、実情はなかなか見えにくい。
そういえば、『ギャング・オブ・アメリカ』のディカプリオはアイルランド・ギャングのボスだったヴァロン神父の息子で父の仇を討つという設定だったけれど、カトリックの神父なのに息子がいたのはどうしてだったのか、覚えていない。誰か知っていたら教えてください。(ヴァイオレンスは見たくないので映画を観て確認できません)