L'art de croire             竹下節子ブログ

帰りの機内で観た映画3本

日本からフランスに帰る時の機内で映画を3本観たが、日本映画もフランス映画も見なかった。

日本映画と中国映画で見始めたものもあるのだけれどどちらも途中で退屈してやめてしまった。

で、見終えたのはアメリカ映画とイタリア映画に韓国映画という珍しい組み合わせになった


アメリカ映画は『007スペクター』

007のシリーズを映画館に見に行くことがなくなってからずいぶんになる。でもこの最新作は予告編でメキシコの「死者の日」の様子を何度も見せられたので興味をそそられていた。
またいわゆるボンド・ガールがレア・セドゥというフランス女優だし、モニカ・ベルッチも、イタリア人だけれどフランス人と結婚してパリに暮らしていたし、フランス語でフランス映画の女優としても人気だった人だから、この映画が公開された時にはフランスで、2人が何度もテレビでインタビューを受けていた。

モニカ・ベルッチは50代で最年長のボンド・ガールとかで、レア・セドゥの方は、ボンドが本気で恋をしたという設定になっていると話題になっていた。

ダニエル・クレイグによるボンドの最終作とかいう話だった。

クレイグは歴代のボンド俳優と比べて何となく地味で内向きというか禁欲的な風情もあったけれど、この純愛風結末にはぴったりだ。

007シリーズは小説も映画も最初がちょうど私の中学生時代と重なっていたので、冷戦時代や英国のスパイものという独特の世界がある種のインパクトを持って刷り込まれた懐かしいもので、その後も、エンターテインメントとしてよくできた映画だと割り切って結構観に行っていた。
でも近頃は、「無用なヴァイオレンス・シーンを目に入れない」という方針に従ってスルーしていたのだ。

レア・セドゥがかわいいし、ベン・ウィショーのような共演者もいい感じで、話の展開のご都合主義や予定調和もあまり気にならなかった。ヴァイオレンスやサスペンスも機内の個人スクリーンで囲って観る限りはそんなにトラウマにならない。

イタリア映画はリッカルド・ミラーニの『これが私の人生設計』

やはりイタリア映画が今の私に一番近い生活感覚だ。
公営住宅の若者たちやゲイのカップルや、男性と伍して活躍するキャリア女性とか、なじみのあるものばかりだ。急に押しかけてくる母親や伯母さんのキャラがいかにもイタリア的だけれど。
ライト・コメディだが、結末がどうなるか気になって最後までちゃんと見てしまったしそれなりに幸せな気分にもなれた。主人公の男女の感じもいい。

韓国映画はガン・ヒョジンの『Wonderful Nightmare』

これもコメディなのだけれど、そして、やり手弁護士の女性が交通事故で生死の境にいるが、夫と二人の子供を持つ「おばさん」として一ヵ月生きれば蘇生させてもらえることになるという荒唐無稽でカルカチュラルな話なのだけれど、中身がつまっていてよくできている。

ヒロインのオム・ジョンファは好みだし、夫役のソン・スンホンが、なんだか滑稽なくらい妻ひと筋なのもそれなりに説得力があってじんときて、中学生の娘役も個性的でインパクトがある。

細かいエピソードがぎっしり詰まっていて中身が濃いので、その不思議な「一ヵ月」に見ている方も同調して最後はどうなるのかはらはらするし、涙も出てくる。

結論が、「女性はやっぱり家庭をもった方が幸せ(夫と子供から愛されているのが条件だけど)」というところに落ち着くのは安易な気もするけれど。
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by mariastella | 2016-05-12 02:51 | 映画
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