L'art de croire             竹下節子ブログ

ケン・ローチがイギリス社会をフランスでコメント

イギリスのEU離脱について、フランスの雑誌で、イングランド出身のケン・ローチがいろいろコメントしていた。

ケン・ローチは今年のカンヌでもグランプリを受賞している。80歳になるが反骨精神は衰えないし、彼の映画のおかげで私は実感としての貧困の問題をキャッチすることができる。尊敬する監督だ。

その彼のコメントの中で面白いと思ったのは、イギリス(というかUK)には移民に対するダブルスタンダードがあって、人種にかかわらず、クリケットをして、女王が好きな人はいつでも歓迎だし、自分たちも行き来して、全く対等な仲間だとほんとうに思っているというものだ。

でもクリケット文化のない国に対しては警戒するのだと。

これってつまり、旧植民地というか英連邦の国々かどうかってこと…?

女王も今は完全にイデオロギーと切り離されているので、クリケットと同じ意味での「シンボル」だということなのだろう。

確かにそのレベルでの「移民」OKの英連邦、「クリケットと女王」圏というのは、過去と現在と合わせると世界中にあるのだから、彼らを真にお友達と見なすイギリスは、外目には「多様性」実現の国だと見えるわけだ。

でも、「クリケットと女王好き」を共有しなければ、ポーランド人でも「外人」扱いされるわけなのだ。

レトリックのひとつなのかもしれないけれど、考えてもいなかったので、なんだか新鮮だった。

「おともだち」認定の基準の本音ってそんなものかもしれない。

フランスなら「フランス語と共和国主義」だろうなあ。

共和国主義好きで、フランス語を自由に使えたら、「フランス人認定」というのは確かにある。

そういうコンセンサスがはっきりしていれば、それはそれなりに、身の処し方の対策もたてられるということで、完全な二枚舌や嘘八百の並べ立てや、暗黙のルール、なんていう国よりも、移民はきっと、住みやすい。

その気になりさえすれば、ね。

少なくとも、何々教を信奉していなくてはならないとか、誰々さまへの忠誠を誓わなければダメ、などと言われるよりもハードルが低い。
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by mariastella | 2016-07-03 16:50 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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