L'art de croire             竹下節子ブログ

カフェの武装兵

(この記事には2日後に追記があります)

蒸し暑さの続くパリの昼下がり、ナシオンの広場のカフェで2時間位、おしゃべりして過ごした。

テラスではなくて奥のほう。

その間に4,5人の迷彩服の兵隊が銃を抱えて入ってきて、もっと奥の席に座った。

テロの続く時節柄、一瞬どきっとした。

駅や広場でパトロール中の武装兵が周りにいる光景には残念ながら慣れているけれど、カフェの内部で座っている前をどかどかと歩かれると…。 手にしている銃の存在感がいやだ。

この人たちの信頼度は?

このうち一人がおかしくなって発砲したら?

とつまらぬことを考えるタイプの私。

テロリストじゃなくて武装兵なんだから、今ここで何かあっても守ってもらえてむしろ安心、と 思う人もいるかもしれない。

しかし一緒にいたフランス人のひとりは、私の不安や、別の人の安心のどちらも吹き飛ばすようなことを言った。

彼がリセにいた頃の1960年代初めにドイツ旅行した時、ソ連との間に何か緊急事態が警告されたらしく、チェコ側の国境の方へと向かうドイツ軍の一団がすぐそばを通過したのを見たそうだ。

その時の兵隊の一人一人の全身から「戦いに行く」という覚悟と緊張感が痛いほどに伝わってきた。
戦後生まれの高校生は、「殺すか殺されるか」という決死の気概を間近に感じたのは初めてだった。

その時のドイツ軍の発する迫力は一生忘れられない。

それを見ているから、銃を持っておしゃべりしながらたらたら歩いてカフェに入るフランス兵を見ると、彼らが武器の使い方をマスターしているかもあやしいし、頼りにもならない、という。
何の抑止力にもならない、と。

暑いのに迷彩服を着こんで武器を持って歩き回っている兵士たちが休息にカフェに立ち寄るというのはまあわかる。

あまり長居せずに出て行った。

そして私たちが長居していたのは事実だ。

そしたら、私たちがいる間にまた同じメンバーがずかずかと入ってきて、また奥の席に座った。

同じメンバー。

違うメンバーなら交代で休んでいるのだと思うけれど。

一時間半くらいしか間があいてなかったような気もするし。

日本にいると日本は平和で警戒心がなさ過ぎて怖いような気もするし、フランスにいるとおお、さすがに「非常事態」の国なのかなあ、と思う時もあるけれど、フランスも日本(沖縄以外)も、実は深いところで平和ボケしているのかもしれない。

冷戦の数十年、ドイツは東西が分断されていた。ベルリンの壁はもとより、一触即発のリスクを抱え、チェコなどの共産国とも国境を接していたのだ。

その点、フランスは、国内にいる限り、そのような生死をかけた国境を抱えていなかった。

今のギリシャやイタリアのように、難民が直接押し寄せる場所でもない。

いろんな意味でドイツとは真剣さが違っていても不思議ではない。

オランド大統領は警備を拡充するために志願者(17-40 歳)と退役軍人らで構成する予備役兵士を使うことにして呼びかけている。

続々志願者が増えているという報道もある。

ISの「聖戦」に志願するよりずっといいけれど・・・

なんかどこかがおかしいぞ、という気がする。
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by mariastella | 2016-07-24 06:48 | フランス
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