L'art de croire             竹下節子ブログ

シスターたちの見たテロ その6

(これはその5の続きです)

通報を受けた警察が現場に向かっている間、二人の殺人者は、再び苛立ちを見せて

「Allahu akbar(アッラーは偉大なり。祈りの呼びかけにも使われるが、アラブ系キリスト教徒もこの言葉を使う。アッラーとはキリスト教の神と基本的に同じ神だからだ)」

と叫びながら会衆席をたたき始め、聖体櫃の周りにあるカップ入り蝋燭を叩き落したりした。

あきらかに警察の到着を待っているようでした、とシスター・エレーヌは言う。

警察がやってきた時、踏み込まれる前に、彼らは三人の女性を人質にして外に出ようとした。

けれども、彼らは女性たちを盾にしようとする感じではなかった、彼女らよりも前に出て、明らかに「死」に面しているような気がした、とシスター・エレーヌは続ける。

緊迫した空気の中で、シスター・ユゲットが持っていたバッグを動かしたら金具が音を立てた。

最初に彼女に微笑んで驚かせた方の殺人者が振り向いて、

「動かないで。そこにじっとしていてください !(敬称を使用)」

と言った。

香部屋(祭器具、祭服、典礼書を保管して祭礼の準備をする場所)の扉から入った警察が殺人者を撃ち殺し(警察発表では殺人者が外に出てから撃ち殺したとなっている)、三人の女性と、重傷を負った87歳のムッシューCは救出された。

その後ムッシューCは二度の肺の手術を終えて危険を脱した。

マダムCの証言によると、首、腕、背中を4度切りつけられたムッシューCは、一度も意識を失ってはいず、床に崩れ折れて「死んだふり」をして、手で首の傷をおさえて多量の出血を防いでいたのだそうだ。

それをマダムCは見ていた。

すごい。

この人たち、みんな、すごい。

(続く)
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by mariastella | 2016-08-12 00:31 | 宗教
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