L'art de croire             竹下節子ブログ

オリンピックと日本とフランス

リオのオリンピックが終わった。

スポーツ観戦はしていないけれど、日仏の毎日のニュースをネットでチェックしているので、この期間はいやでもオリンピックに関するものが目に入っていた。

日本の記事とフランスの記事で、時には、これが同じ大会の同じ日のことなのかと思うくらいの差がある。

いわゆる「メダル争い」で日本とフランスはいつも近いところで前後していたけれど、得意種目が全然違う。

日本とフランスが重なるのは柔道と水泳くらいで、体操、レスリングはフランスのニュースにはほとんどならないし、フランスのメダルは射撃、フェンシング、馬術、ボクシング、カヌーとフランス国内ですらマイナーなものが多い。

この「重ならない」様子を見ていると、やはり「国民性」ってあるのかなあと思う。

フランスの「強い」系スポーツは柔道もボクシングも、前にも書いたけれどやはり「海外県」にルーツを持つ黒人選手が目立つ。

アメリカ大陸の黒人選手は、労働力として売買された出発点でそもそも大きくて強くて丈夫な人が選抜され、それに加えて、過酷な船旅や過酷な労働を生き抜いた人たちの子孫だとしたら、もう最初から、遺伝的強者であることは間違いない。
彼らを抜きにしたら、アメリカのメダルやフランスのメダリストは半減するのではないだろうか。

1968年のメキシコ・シティー大会の表彰式でアメリカの黒人選手が人種差別に対する抗議行動を行なって問題になったように、人種差別とスポーツの関係は可視化されていないとは言えない。

メダル数にはもちろん人口の多寡も関係するし、スポーツの施設や訓練に関するインフラを充実させることのできる経済力も関係する。
すべてを考慮してもアメリカが一位というのは納得できる。

中国は人口も多く国土が広いからすでに多様な才能が調達できるとしても、黒人選手が見当たらない(たぶんいわゆるハーフの選手も見当たらない)のはすごいと思うが、これは「国策」の一部なのだろうか。

イギリスがこれだけ強いのは、大英帝国由来のダイバーシティの厚みと、サッカー、ラグビー、ゴルフなど多くのスポーツの発祥地であるようにスポーツが「エリート」の条件に組み込まれている伝統と関係があるのだろうか。

ドイツは、なんだか「ゲルマン民族」ってもともと強そうだよなー、と思ってしまう。
遺伝的に恵まれていて、「強くなること」を称揚する伝統があり、しかも規律正しいお国柄、経済力もある。

フランスは「海外県」出身の人の強みを別にすると、全部中途半端。
夜の街にしか出没しないエリートたちとか、享楽的なお国柄とか、誇り高い自虐趣味とか。

日本が「強い」ことに関しては、うまく距離感がとれないのでどうしてなのか分からない。
精神論やら親子代々にわたる悲願エピソードみたいなのは個人的に苦手な上に「根性もの」とは縁がないので。

それでも「必死にがんばった」若者たちが勝って泣いたり敗れて泣いたりするのを見ると所属国と関係なくもらい泣きしてしまえる単純な私は変わらない。

練習における工夫や進歩やチームワークについては、アンサンブルで楽器を弾く身にはいつも参考になることがある。

2012年のオリンピック招致にパリがロンドンに負けた時、パリはあまりにも「パリは世界で一番素敵な街」と言い過ぎた、今度はちゃんとオリンピック施設などに特化してチャレンジする、とパリは2024年のオリンピックに立候補している。順番から言うと選ばれる確率は大きい。

今のオリンピック自体にはいろいろ問題があると思っているのだけれど、もし東京、パリと続くのなら、日仏ウォッチャーとして両方を比べて見てみたい好奇心はある。後8年は長生きしなくては。

(この前の記事で、wordが開けないと書きましたが、午後バカンスから帰ってきたトリオの仲間に電話できいて、文書を別のpcに移すことだけはできました。このpcのwordは変換が遅いのですが、ともかく仕事は再開できそうです。もうひとつのpcは、Windows10へのアップグレードをずっと拒否し続けてきたのに、ある日勝手に、こちらの同意なくアップグレードされたのです。word2013が開けなくなったのはそれと関係しているようですが、プロダクトキーだとかよくわからないので、あさって仲間がうちに来てくれると言っていました。
ピアノの教え子でこういうことが専門の青年にメールしたら、今ギリシャにいるけれど電話で助けられるかもしれない、と返事が来ました。みんな親切です。感謝。)
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by mariastella | 2016-08-23 05:58 | 雑感
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