L'art de croire             竹下節子ブログ

フランスから見た米大統領選 その2

ターザンについての記事をアップした後だけれど、米大統領選についての記事へのアクセスが多かったので、フランスから見た今回の大統領選についてもう少し書いておくことにした。
日本ではもちろん英語圏からの情報がメインだと思うので。

アメリカのジャーナリストにはフランス語を自由に話せる人が少なくないから、現地取材中のフランスのメディアにもフランス語で直接コメントする人が多いのも日本では考えにくい。

で、今日の夜の特別番組でいろいろな立場の人から語られた「フランス目線」の見方を覚書。

-- 軍事力はアメリカが断トツでも、GNIの世界一はアメリカでなくEUだ、アメリカとEUがパートナーシップを維持しなければ、次の通称規範は中国発になって「欧米」規範と違ったものになってしまうので重大だ。

-- 1914/8に第一次大戦が勃発した時、すべての人が驚いた。
しかしベルグソンは、「衝撃的な出来事のように見えるがこれまでの経過を冷静に観察すると、これしかない結末だ」と言った。今回も、同じ種類の「自明性」がある。

-- 米大統領の権力は仏大統領の権力よりずっと小さい。議会に反したことは何もできない。

-- トランプはロビー運動家から「買われる」必要はない。

-- 対ロシアと対ISについてはポジティヴな結果が期待できるが対イランはネガティヴ。

--  トランプは2分半しか集中力が続かないのでTwitter向きだが、今は祝いよりも政策を立てるブレーンの選定に真剣になっているだろう。
(しかしすでに副大統領はバリバリの共和派なのだから、丸投げになるのかもしれない。by sekko)

-- 11/20のフランスの共和党予備選と12/4のイタリア憲法改正国民投票への影響。

-- トランプが共和党予備選で対立候補を次々となぎ倒したエネルギーが勝利の鍵だった。
 (「野心」よりも「やる気」が人の心をとらえる。ナポレオンを見るとよくわかる。by sekko)

-- フランスの政治ディスクールは、ルイ14世、ナポレオン、ドゴールと、全世界を視野に入れた普遍主義が特徴。そのためには非現実的な公約が必要で、皆がそれを理解している。

-- トランプを支持した人は、「最後の尊厳のよりどころとしての銃の携帯」の権利を失いたくない人。
民衆にとっての「自分の力」のシンボルである銃所有のメンタリティとトランプ支持がセットになっている。
だから武器を持たないフランスとは違う。

-- プーチンとネタニヤウは歓迎している。トランプはアメリカ大使館をテルアビブからエルサレムへ移すと言っている。 

-- 仏共和党予備選でサルコジのポピュリズムが有利になるのか ? 
ジュッペは冷たい印象を与える。
      
-- 「変革」を謳うマクロンの方が心をとらえるのか ? しかしENA(政治家のエリートコース)出身のマクロンが変革などできるのか。                                                                             
--  来年の大統領選の最終投票にマリーヌ・ル・ペンが出てくるとしたら、相手は社会党よりもサルコジのような人物の方が勝てるのではないか ? 

-- しかし今のル・ペン(国民戦線FN)はずいぶんとドゴール主義を強調している。
政策も、移民受け入れ規制を除けば極左と重なるくらい社会主義的だ。(極左も極右もEU離脱を唱える。)

などなどだ。参考にどうぞ。
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by mariastella | 2016-11-10 09:33 | 雑感
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