L'art de croire             竹下節子ブログ

分からない日本語など その1

日本でもクーリエ・ジャポンという関連誌があるフランスの『Courrier international』の1363号は12/15-1/4 でいわば年末年始の特別号だった。

「よその言葉」(他者の言葉)というテーマで、フランス語のいくつかのキーワードの外国語を紹介してフランスにはないコンセプトを開設するという比較文化的なものだ。

まあ、面白おかしくできているので、恣意的な選択であるのは当然なのだけれど、日本語が引かれている率がかなり多くて、しかもその中には私の分からない言葉がいくつもあった。

いくらサブカル的選択としてもなんだか抵抗のあるものもある。

最初の言葉がPouvoir(権力)。

これには日本語が紹介されていない。ジャワ語、中国語、ヘブライ語、ハンガリー、ウクライナ語などが挙がる。

次のVoyous(不良)は ロシア俗語、ブラジルのポルトガル語みっつ、ローマ俗語ふたつなど。

次がAmour(アムール、愛)。
ここにはメインページに日本語がふたつも。その後のサブページにはアラビア語が目立つ。たとえばAlkhoullaは愛と友情の混ざったもの、というようにさまざまなニュアンスだ。ここにも日本語がなんと7つも。

私が思いつくとしたら愛、恋、大切、いつくしみ、とかだけれど、ここに引かれているのは、

メインの2つが

nensu
kabédon

壁ドンは私にもわかった。解説には、男の子が女の子を壁に押し付けて右手を壁につけ、目を見つめる、とあり、日本では女の子はこれが大好きだとある。・・・・・・

nensu は胸を高鳴らせて同性の人にやさしく思いをはせる、とある。 ???

サブのリストに出てくる日本語は、
Shinju、
Hanaji (性的興奮。日本では鼻の大きさが男性器の大きさを表す、とある)、
Okama(通常受け身の男娼)、
Keikan(解説を読むまで何のことか分からなかった)、
Nozoki、
Chirarism、
Unaji

の七つ。

話を面白くするためだとしても「愛」で出てくる日本語がこれってあんまりじゃ…。
これを担当したのが日本にいるフランス人ジャーナリストだとしたら、サブカルオタクみたいな人で他の日本語ができるフランス人に対して自分のディープな知識を披露したいのだろうか。

その次がNON-DITS
つまり、言われないこと。(ディスクールの最中の「えー」とか「うー」とかいうためらいは、言葉と同じくらいに理解にとって不可欠なものである、とある)

ここには、ペルシャ語、韓国語が一つずつ、日本語は二つ。

Haragei(内臓的、間接的、非言語的コミュニケーション)
AH-UN(モノの最初と最後。とても親しい友人間の無言のコミュニケーション)

だって。

腹芸には「腹にいちもつある」みたいな言葉とリンクしている感がもっと強い気がする。
阿吽はいいとしても、どうせなら仏教的な意味も書いてほしい。

次の「怒り」には米語三つと英語一つ。

このチョイスを見ているとまあ、時事問題を解説したいという気持ちは分かる。

Redneck,  white trash,  hillbilly,  underdog

日本語はない。日本語のネット語の「死ね!」とかは出てこないようだ。

次はTravail(仕事、労働)。

ここには、ドイツ語、メキシカン、セネガル語とともに英語ふたつと日本語ふたつ。

何だと思いますか?  (続く)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         
次はCréativité(創造性)。英語、アラブ語、ドイツ語、メキシカン、ヒンディ語、ボーランド語、エスペラント語とにぎやかで、日本語も一つ入っています。何でしょう ? ちなみに私はこの日本語も解説もよく分からなかった。

(続く)
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by mariastella | 2017-01-11 00:38 | 雑感
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