L'art de croire             竹下節子ブログ

分からない日本語など その4

(これは前の記事の続きです)

Exil(亡命)に引かれているのはフィンランド語Kaihoとウェールズ語hiraethとドイツ語heimweh。

フィンランド語は、行きつくことのない遠い場所を求める嘆き、孤独と激しい欲求と実現不可能の感覚。

ウェールズ語は、亡命の傷。二度と戻れない故郷へのノスタルジー(その故郷は実は訪れたことなどない場所かもしれない)。

ドイツ語は望郷。しかしこの他に対照的なFernwehという言葉があって、それは自分の地平をどんどん広げていくという意味で、これについての解説があった。

私は「Fukushima」など思い浮かべてしまった。

最後の La Fuite 「逃避」。

中央アメリカのスペイン語のAchaplinarseは逃げるかどうかためらった後、チャップリンのように慌てて逃げるという意味だそうだ。
ブラジルのポルトガル語のQuilomboは、逃亡奴隷が奥地で作った共同体のことで、その他にバスク語と日本語があって、この日本語がこの日本語にこの号の最後を飾る長い解説(毎日新聞のTakashi Ishizuka氏の記事)がついている。

この日本語も私は分からなかった。

ひら仮名で検索したら出てきた。

Tendenko 「てんでんこ」である。

津波が来たらてんでんばらばらに逃げろ、ということだ。
他人の指示を待ったり、他の人と一緒に行動しようとする傾向の強い日本人だからこそ、津波の被害を体験した地域ではこのサヴァイヴァルの言葉を言い伝えて来たという風に読み取れる。

フランス語にも同じ意味のsauve-qui-peutという逃げることのできるものはともかく逃げろ、という表現がある。
連帯とか協調とか言っていられないタイプの危機があるということであり、また、そういう風にとりあえず自分の安全のみ確保するという反射によって救われる危機があるということだ。

それにしても、この年末年始特別号のクーリエ・インターナショナルに取り上げられた日本語、

Nensu、
壁ドン、
心中、
鼻血、
おかま
鶏姦、
のぞき、
ちらりズム
うなじ、
腹芸、
阿吽、
過労死、
居眠り、
OGU、
ネトウヨ、
飲みニケーション、
てんでんこ、

って...。 

得意になってこれらの言葉を選んだジャーナリストの目に映っている日本ってどんな国だろう ?
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by mariastella | 2017-01-14 01:56 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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