L'art de croire             竹下節子ブログ

dマガジンと、遊川和彦さんのおかあさまの話

インターネットのdマガジンというので日本の雑誌を拾い読みしている。このおかげで、日本に帰った時ももうほとんど週刊誌などは買わない。

そして日本にいても今まで立ち読みすらしたことのないような雑誌まで時々読む。
たとえば「男性ファッション誌」のカテゴリーに入っているGQ JAPAN では鈴木正文さんのEDITOR’S LETTERを今は毎月読んでいる。

全体としては消費文化の爛熟、煽情、健康カルト風記事の蔓延にショックを受けるし、たまに、「欧米では何々…」「キリスト教は何々…」とかいう記事の中の明らかなエラーや偏見や混同を読むと驚いてクリップしておくが、いちいち訂正する暇もない。

いろいろな人のインタビュー記事などは楽しく読むが、昨日読んだ記事の中に素敵な言葉があった。
週刊現代(1/28日号)にあった遊川和彦さんという脚本家(私とほぼ同じ世代)の回想にあるおかあさまの言葉だ。
広島県で母子家庭を支えて苦労していたおかあさまに、東京の映像系の専門学校に行きたいから「学費だけ出してくれ、後はバイトして迷惑かけないから」と息子が頼んだ。

するとおかあさまは笑って了承し、

「私に与えられるのは自由だけだから、あなたの好きにしなさい」

と答えたという。

いいなあ。人間に自由意志を与えて見守った神さまみたいだ。

母子の絆、と言っても、一方が一方を縛る絆であってはいけない。
きっとこのお母様は自分の息子をよく見ていて、信頼が二人の絆だったのだろうなあ。

親の「束縛」から自分を解放して「自由」を奪って自立する人も多いだろうけれど、親に自覚的に「自由」を与えてもらって自立できる人は、「親を否定する」という「原罪」からも自由だ。

愛と祝福は似ている。
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by mariastella | 2017-01-17 02:59 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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