L'art de croire             竹下節子ブログ

刺青、タトゥー、ステンドグラスと聖痕

寄り道です。

フランスの10代の若者の10人に1人はタトゥーを入れていると言われる。
私の周りには皆無だから分からない。
日本の温泉は海外からの観光客にも人気だけれど、「刺青をしている人お断り」のところではタトゥーはどういう扱いなんだろう。

いままでのイメージではタトゥーと言えば、バラの花一輪とか、髑髏とか、好きな人の名前とか、ワンポイントのものを思い浮かべていた。
一方刺青と言えば、「錦絵」のような豪華なもの、昇り龍とか武者絵とか任侠映画を連想する。いわゆる「博徒彫り」で、これが公衆浴場入場禁止の理由であったことは想像に難くない。

でも、フランスで今人気のタトゥー師のミカエル・ド・ポワシィーの図柄を見て驚いた。
ステンドグラス。
そのためにちゃんと教会絵の学校 l’Académie des Peintres de l’Abbaye にも通ったそうだ。
ステンドグラスの黒い太い線はタトゥーに向いているそうだ。

私は、個人的にはなんらかの治療以外の目的で体に傷をつけることはしないので、肌をキャンバスにする人やそこにアートの表現を見出す人の世界についてはノーコメントだけれど、こういうアートの域に達するようなタトゥーと教会アートの出会いには驚かされた。

考えてみれば、倶利伽羅紋紋も不動明王の化身の竜王だったり、勇ましいものばかりでなく刺青の柄にも観音や如来などあるのだから、聖母マリア柄も、「加護を願う」という意味で人気があるのかもしれない。片肌脱いで威嚇するというやつではなくて、ジンクスにこだわるイメージ?

スポーツ選手のタトゥ―率が高そうなのもそのせいかもしれない。

それとも、日本の神や仏や経文の刺青はいわゆる「武家彫り」で、信仰行為の一種なのだろうか。

「桜吹雪柄」というのもいかにも日本的だ。
そういえば私の好きな芝居、四代目鶴屋南北の「盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)」も刺青が大切な要素になっている。覚悟、とか誓い、とかの含意も重要なのだろう。基本的に消せなかったこと、そして昔は多分時間もかかって痛みも大きかったことなどが真剣さや本気度を担保する。

いわゆる「聖痕」が聖痕者や周囲の人に与えるインパクトと比較すると興味深い。
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by mariastella | 2017-03-05 01:00 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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