L'art de croire             竹下節子ブログ

フランスとイスラム その10

カメル・ダウドの2012/9/16の記事紹介の続き。

イスラムの進歩主義者、世俗の進歩主義者は共に、過激派と戦わなければならないとは言っていた。けれどもそのやり方は、過激派を分離して彼らのイデオロギーを解除して実態を明らかにするならば過激派は人々からの信頼を失って自然消滅するだろうという楽観的なものだった。

結果として、過激派は、消滅どころか、前進し、勢力を拡大した。

その理由は明らかだ。

教育、学校という温床の存在だ。

「アラブ」世界には、進歩主義者が過激派を堰き止めているつもりの間に、揺り籠のレベルで、学校で、テレビで、コミュニケーションで、通りで、モスクで過激派を育てるという、イデオロギーの温床があるからだ。

過激派でない人々の目には、過激派は、今世紀の世界の状況が生んだ「産物」だと見えていた。

しかしそれは逆で、過激派が今世紀の悪の根源なのだ。

学校、書物、ファトワ、「アラブ」世界は過激派を今も基礎から作り上げている。
至る所で、しかるべき資本を投じて。

過激派のモデルとなったワッハーブ宗は、国教を超えて、イスラムの伝統宗派の差を超えて浸透する。

法律をファトワに近づけ、
投票で選ばれた政治家は天に選ばれたイマムへ、
憲法はシャリーア法へ、
学校科目はコーランの暗唱へと向かう。

この「温床」を絶やさなければ、数十年後には巨大なイスラム神学帝国が現れるだろう。

イデオロギー、教育、学校というレベルで過激派に立ち向かう努力なしには、我々は、50年後もまだ「過激派をどうするか?」と問い続けているに違いない。(続く)
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by mariastella | 2017-03-08 01:13 | 雑感
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