L'art de croire             竹下節子ブログ

コンテンポラリー・アートのナルシシズム

最近夢中になって読んでいる本。

Du narcissisme de l'art comtemporain Alain Troyas et Valérie Arnault (ed. l'Echapée)

『コンテンポラリー・アートのナルシシズム』です。

すばらしい。

パリやベルサイユに突如として現れる度肝を抜かれるさまざまなインスタレーションを含むコンテンポラリー・アートについて、いろいろ考えていたのだけれど言葉にならなかったものが的確に言葉になっている。

政治と経済とアートの関係の歴史もよくわかる。

政治と経済(これは誰がなんのためにアーティストに制作の場や費用や発表の場を与えるのか、ホワイト・キューブを提供しているのは誰か、という話で最も重要となる)とが激しく動いていく中で、調和の心地よさや超越的な美を感じる人間の感性は古来変わらない。そのずれや乖離はどう生きられているのか、何が求められるのか、などの問題だ。もちろん復古主義などではない。

この本は、環境破壊が悪い、グローバルな世界が悪いから、昔(戦前、江戸時代、中世…)に戻れと言うような反動の言辞が普通に聞かれるようになっている今現在においての考えるヒントになる貴重な視点を提供してくれる。

美術系評論の中で今までこのように目を開かせてくれたのは若林直樹さんの『退屈な美術史をやめるための長い長い人類の歴史』(河出書房新社)以来だ。

これをもとにゆっくり考えて行って、少しずつ書いていきたい。
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by mariastella | 2017-03-21 00:02 | アート
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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