L'art de croire             竹下節子ブログ

首相夫人と大統領夫人

日本についてから散々目にし耳にしたのがやはり森友学園疑惑。
国会喚問の籠池さんのキャラがユニークだ。
首相夫人はメールといい「私人」認定といい支離滅裂な状況。

思えば、フランスでは、大統領夫人といえば、法律的にはともかく、非公式の陳情窓口として表向きに機能していた。

もっとも、特別の配慮とか利益誘導を願うのとは反対で、いろいろなレベルの行政から不当な搾取や損害を受けている人の駆け込み寺という位置づけだった。

コネもなく、弁護士に払う金もなく困っていて助けを求めている人、またそういう人を助けてあげたいと思っている人が、大統領あてではなく夫人宛に手紙を書く。
専任の係りが取捨選択しているのだろうが、まず間違いなく、読んでもらえて、返事が来る。

今は政治家もローマ法王もツイッターのアカウントをもっていて、メッセージを送ると少なくとも多分オートマティックに返事が来たりするのでて、それだけで一定の満足感を得られる人もいることだろう。

大統領夫人への訴えも、フランス人ファーストではなく、誰にでも開かれていた。
お役所仕事の緩慢さ、複雑さをスルーして、弱者優先の精神があった。
必要とあらばちゃんと「忖度」なり「口利き」があって救済措置が取られたようだ。

私も、今となってはもう何であったか覚えていないけれど、シラク大統領夫人に手紙を書いて、秘書の人だかに返事をもらったことがある。日本だったら考えもつかなかった。

もっともこの「伝統」はシラクの後途絶えたといってもいい。

サルコジ大統領は就任前から妻に逃げられていたし、いったん家族でエリゼ宮入りしたもののすぐ離婚し、再婚相手はよく知られたイタリア人歌手だった。

その後のオランド大統領は、4人の子をなしたロワイヤル女史とすら結婚しておらず、就任したときにいっしょだったジャーナリストとも別れて暴露本を書かれる始末だった。
その後の恋人の女優とも一緒にすんでいない。

すでにフランスでは「夫婦」「結婚」という制度自体がマイナーになりつつあるので(これに夢を持ち?こだわるのは同性愛カップルだったりする)、「セーフティネットとしての大統領夫人」はもう出てこないかもしれない。
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by mariastella | 2017-03-28 11:46 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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