L'art de croire             竹下節子ブログ

無限遠点と神

同年輩の知人が、「現代数学への招待--多様体とは何か」(志賀浩二、ちくま学芸文庫)というのを読んで興奮するほどおもしろかったと教えてくれたので私も手に入れて早速読んで見た。
まだ第2章だけど、なるほど、刺激的だ。

何より、ほとんど神学理論だと思った。

前に、新書で、ゲーデルの不確定理論からの神の存在証明というのを読んだことがあるが、これはそういうベタなものではなく、数学者が数学の「意味」を語ろうとするものだ。

でも、私が日頃考えていることとぴったりする。

たとえば、私は人と人との繋がりははかないもので、ほんとうに共生するには人同士の関係を超えた何かを拠り所にしなければならないと思っている。

すると、この本には、点がたくさんあるだけではどの点も勝手な方向にどんどん進んで、止まっては方向を変えるという動きを繰り返すしかないが、そこに「無限遠点」を導入すると、その空間は そこを集積点として「コンパクト化」する、しかも、点の動きはずっと自由になるというと書いてある。

また、数学は、目に見えない高次元のものを対象にする時に、手探りしながら座標を選ぶというのも、神や超越をどう語るかという問題に似ている。

神だとか奇跡だとか死後の世界だとかは、実証的な科学と正反対の絵空事だと切り捨てられた時代もあったわけだけれど、考えてみれば、目で見てすぐに理解できるような事象などほんの僅かに過ぎない。

放送大学でも、リモートセンシングによる可視化の話を聞いた。たとえば環境や地球の内部のような目に見えないものをいかに可視化して、可視化したものをどう表現するかといった話だ。

すべての本質的なものは目に見えないのだなあと思うし、だからこそそれを表現する営為はいつも刺激的なのだろう。
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by mariastella | 2017-04-10 00:55 |
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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