L'art de croire             竹下節子ブログ

メーデーとル・ペン父娘とマクロン

これは前回の続きではありません。

5/1 のメーデー、ジャン=マリー・ル・ペンは13区のジャンヌ・ダルク像の前で娘への投票を呼び掛けてマリーヌのことを「フランスの娘 une fille de France」と呼んだ。
冠詞なしの「フランス」でこういう場合、普通は、王の娘、王女のことを指す言葉だ。

つまり王党派っぽい含意があるので、「私は大衆」と主張するマリーヌのイメージ作戦を裏切るどころか、暗にその父である自分は王であるという本音が出たのかもしれない。

2002年の反FNデモと違って、予想通り、「ファシスト(ルペン)も、反資本主義者(マクロン)も嫌だ」という組合の呼びかけもあった。

メランションが前日、マクロンに政策で譲歩するなら積極的支持に回ると持ち掛けたのにマクロンは昨日のミーティングできっぱり断った。
デュポン=エニャンの支持を得るためにいろいろ譲歩したルペンと対照的だ。

ルペンが譲歩したのはこれによって票だけではなくもー、FNのノーマル化を印象付けるためだ。

マクロンが譲歩しないのは、2012年の決選投票でバイルーやメランションの支持を得たのに当選後は社会党だけで固めたことでバイルーやメランションの離反を招いた前例を踏襲したくなかったからだ。

けれどもそのことを、

ルペンは、プラグマチックで大人、
マクロンは、視野の狭い子供、

という風に見る人や、その見方を誘導する人がいる。
マクロンはわがままでナルシストの子供だと。

いや、でも、同じ日に、マクロンと同様の立ち位置にあるイタリアの42歳のマテオ・レンツィが復帰を表明した。
レンツィは34歳でフィレンツェ市長となり、39歳で首相としていろいろな改革をした。
フランスでも、ナポレオンを引き合いに出さなくとも、ローラン・ファビウスは34歳で政権入り、37歳で首相になっている。その時には「子供」だと批判されることはなかった。ファビウスはマクロン以上の正統エリートだったが、それを攻撃されることはなかった。

今のフランスの病理、閉塞、ポピュリズム、SNSと映像の力、の中での選挙戦だからこそ、「理念」や「原則」を見失ってはいけない。
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by mariastella | 2017-05-02 18:40 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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