L'art de croire             竹下節子ブログ

子供の喧嘩?

昨日のマクロンVSル・ペンの討論から一夜明けて、メディアが冠したタイトルや形容も笑えるものが多い。

小学校の校庭での喧嘩、

ボクシングの試合、

夫婦喧嘩、

だって。

ル・ペンが分厚い「資料」を前においてそれを参照するのに対してマクロンは「すべて頭の中に入っています」という体で現れたこと、

ル・ペンの「せせら笑う」態度が下品、エレガンスに欠ける、とみなされたこともあり、

この討論の直後のアンケートではマクロン支持が4%上がったそうだ。

フランスは、アメリカのクリントンとトランプとのやりとりの「ただの喧嘩」ぶりを冷笑していたので、予備選の時のやり取りもアメリカよりは本質的な議論をして「大人」であることに満足していたふしがある。

ル・ペンもむろんそれを意識して、トランプなどとは違う「大人でエレガントな女性」を演じていた。でも昨日の「戦略」には齟齬があった。

マクロンを元大臣で現政権のすべての失敗の責任者である、として弾劾することと

マクロンが若くて口ばかりで何もわかっちゃいない「困ったちゃん」で、私は笑うしかないわ、というスタンスと、

この2つを同時に展開したのでレトリックが自己撞着を起こしてしまった。

ううん、こういう人では、押し出しはともかくとして、やはりとてもプーチンやトランプと立ち向かえないだろうなと思う。

なんだかんだ言ってもフランス人は「対面」を気にするから、「アメリカと違って知性的な大統領選」を演出したかったのに、それが台無しになったという失望はあっただろう。

それでも、クリントン対トランプが、一応、

革新 VS 保守、
女 VS 男、
過去に政権の中枢にいた人 VS 一度も政権についたことのない人

という構図だったのに対して

マクロン対ル・ペンがどちらも既成の二大政党を排除して、

中道 VS 極右、
男 VS  女、
過去に政権の中枢にいた人 VS  一度も政権についたことのない人

と微妙にねじれていることが、イメージ戦略にどういう影響を与えているのかを考えるのはおもしろい。

もう一つ、アメリカとの大きな違いは、やはり年齢かも。
クリントンとトランプはどちらも68年世代というか戦後ベビーブーマーの世代、
2人の年齢を足したものとマクロンとル・ペンの年齢を足すと、50年以上の差になる。

ひいきの政党はすべて落選したし、
もう何だかわからないし
どうせ誰も信用できないし絶望的だから、というので

「極右のポピュリストに投票してみよう」というよりは
「未来を考える若者にかけてみよう」という人が多いといいのだけれど。
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by mariastella | 2017-05-04 17:42 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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