L'art de croire             竹下節子ブログ

新首相への懸念と前の記事の追記

新内閣の発表は水曜日に延期されたそうだ。

共和党のフィリップ首相が任命されたのだからブリュノー・ル・メールなど何人かの共和党議員が入るだろうと言われていたのだけれど、フランソワ・バロワン(私はこの人の低音のファン)は分断を認めないし、なかなか微妙だ。

フィリップ首相を激しく弾劾するのは「共和党を裏切った」とかいうことではない。
もともとル・アーブルのような元来左派の拠点であるような街になんとか食い込んで市長をやっているのだから「保革」の間をうまく泳げる人であるのは確かだ。
問題は2007年から2010年の間にアレヴァ社の公務部門ディレクターをやっていたことで、持続可能エネルギーへのシフトや生物多様性に関するエコロジカルな法律にこれまで反対投票をしてきた過去だ。
アレヴァというのは言わずと知れた原子力産業のトップの複合企業で、もちろん日本の原発産業とも深いかかわりがある。

こんな首相のもとでは、マクロンを支持してきた前環境相セゴレーヌ・ロワイヤルなどとても閣僚にならないだろう。

マクロンが若者は仕事を覚えなくてはならないから週40-45時間労働は当たり前だ、今の35時間労働はシニア向け、などと議論しているシーンのyoutubeも試聴が増えている。

マクロンやフィリップのような人は、週100時間くらい働いても平気、って感じもするけれど。

昔、日本の企業や役所からフランスに来た人たちが、「フランス人は働かないって聞いていたけれど、エリートは日本人よりも働いていますね、」と驚いていた。

エリートが眠らずに働くのと、ブラック企業で働かされるとか、働かないと食べていけないとかいうのは意味が違う。

エリートが人一倍働いて、それなりに庶民に利益を還元するという時代も過去には確かにあった。

今や経済格差の問題というのは人の心を確実に蝕んでいる。

ああ、それから、前の記事の追記として書いておくと、『アエラ』のマクロン夫妻の写真のキャプションも間違っている。 

「北仏のリゾート地ルトゥケを訪ねた際の仲睦まじいマクロン夫妻。ここは彼らが結婚式を挙げた町だ」

とある。

ルトゥケにはリゾートで遊びに来たわけではなく彼らはここに住民登録をしている。
投票もこの町でしている。

まあどうでもいいことだし、他の雑誌のマクロン報道も的外れのものが多いのだけれど、朝日新聞系の雑誌の記事なんだから、少しは校閲というものがされないのか不思議だ。



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by mariastella | 2017-05-16 22:59 | フランス
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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