L'art de croire             竹下節子ブログ

ローマ法王とフランス大統領 その3

(これは昨日の続きです。)

ローマ法王フランシスコとフランス大統領マクロンの五つの共通点(By 《La Vie 3744 》

その3です。
この記事は、このカトリック雑誌がマクロンを評価し応援しているからというのではない。「善きカトリック」の代弁者のように支援されていたフィヨン候補の敗退によって迷う信徒や、フランスにおけるアイデンティティ・カトリック(伝統やブルジョワ的価値観を共有する階級)とリベラル・ソシアルのカトリックの分裂を解消して、マクロン体制のフランスをカトリック的に何とかいい方向(格差拡大の減少、弱者支援、難民ら移動者支援、反戦、環境破壊防止など。自国ファーストの経済成長や軍事力などはもちろんスルー)に向けたいという意図のあらわれだろう。カトリック・シンパがマクロンの足を引っ張ってフランスを分裂させないようにというメッセージでもあり、またマクロン陣営へのメッセージでもある。

その3は、人格の尊厳について。

人格という言葉はもともとキリスト教の三位一体の父と子と聖霊をペルソナとしてとらえたものが後で人間にも再転用されたものだ。

まずローマ法王。
教皇は、地球温暖化で土地を捨てる難民、グローバル経済からはじきとばされた人たち、スラム街の住民、まだ生まれていない子供たち、障碍者、高齢者、病人、死に行く人、など最も弱い立場にある人々を守るために熱弁する。自由経済の逸脱、人々を道具化する利益効率第一主義などを、人間の尊厳を傷つけるものとして糾弾する。子供をつくるのは権利であって授かるものではないとか安楽死は尊厳死であるなどと説明する主流秩序の「偽の慈悲」を弾劾する。

マクロンは、ルペンとの公開討議で障碍者支援のテーマを強調した。
任命されたばかりのフィリップ首相の最初の訪問先は障碍者と健常者が共同作業をして暮らすメゾン・シモン・ド・シレーヌだった。
マクロンの元ロスチャイルド投資銀行の金融マンという顔の陰に、人間の尊厳への深い関心がある。フランス社会の和解というイエズス会のテーマが見える。「最も脆弱な部分からスタートすることで社会が《他者への恐れ》を克服するすることにつながる」とシモン・ド・シレーヌ共同体のディレクターは分析する

カトリック系リセでずっと教えてきたマクロン夫人ブリジットも、障碍のある生徒に接した経験から、この問題に深く関わっている。就任式のパーティで司教や大ラビに「夫のための祈ってください」と頼んでいたブリジットは、選挙運動中も知覚障害、精神障害の子供たちの学校を訪問していた。彼女はミシェル・オバマのような役割を果たすだろうと言われている。



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by mariastella | 2017-06-06 01:29 | 雑感
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竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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