アメリカがエルサレムをイスラエルの首都と一方的に宣言したことで、汚職問題で危機にあるネタニヤフ首相は上機嫌で、パレスティナの人々はショックを隠せない。
トランプの中東外遊で何が密約されたのかは知らないけれど、サウジアラビアとイスラエルが対イランで連帯する合意があり、もうエルサレムを追われて何十年にもなるパレスティナ自治区の将来のことは関心が薄れたのかもしれない。アラブ諸国訪問中だったマクロンはトランプを糾弾して見せたが、戦闘機をカタールに売りつけて嬉々としていた。
カタールにもドバイにもイランにも個人的に親しい人がいる。
イスラエルとパリを行き来している親しいユダヤ人もいる。
こんどのことは、シリアやイラクを追われたISの火に油を注ぐようなものだという見方もあるので心配だ。
面白いと思ったのは、フランスでもエルサレムのことをJERUSALEMと書くので、いろんなニュースで、
JERUSALEM と表記するのを見ることだ。
内なるアメリカ、というやつだ。
しかも、ちょうど真ん中に来る。
私が学生の頃に読んでいた朝日ジャーナルの最後のページの一コマ漫画か何かで、「内なるアメリカ」というキャプションで当時の首相だった佐藤栄作の名をアルファベット表記したものがあった。
EISAKUSATO
というものだ。
当時の学生運動は産学協同反対、米帝追従反対、というものだったから、首相などは完全にアメリカの方しか見ていない、とみなされていた。あまりよくできているので今もまだ覚えている。
そのせいで、JERUSALEM 表記が無意味になつかしかった。
何だか今の日本では、いつのまにか産学共同がデフォルトになっているようだが、さらに軍・産・学が一体となり、政治家も、もう内なるアメリカというより、一体化しているのだとしたら、なつかしいなどと言っている場合ではないのかもしれない