この2月11日で114歳になる愛徳姉妹会のシスター・アンドレは、現在フランスの最高齢者で、聖職者の世界最高齢だそうだ。
1944年にパリのバック通りの愛徳姉妹会に志願者として入会し、各地で活動し、104歳までは、サヴォワの修道院で飛び跳ねていて、毎朝6時には、チャペルの祭壇に飾る花を庭で摘み、他の高齢者の車椅子を押しながらみなを笑わせていたのだそうだ。
2009年からはトゥーロンのカトリーヌ・ラブレー(バック通りで聖母マリアのご出現に出会い、「不思議のメダイ」を世に出した聖女)ホームにリタイアした。
今は眼も脚も悪くなって、毎日、イエスに祈りながら、
「私を迎えに来るのに、何を待っているの ?
私のこと、忘れたの、見捨てたの?
私は早く会いたいのに、私に会いたくないの?」
と文句を言っているという。
そういえば、今でも人類最高齢記録保持者のフランス女性ジャンヌ・カルマンさんの122年の生涯を書いた本の題名も「神に忘れられた人」というものだった。
日本でも、神さまか仏さまかご先祖さまだかに「そろそろお迎えにきてください」とお願いするという表現があるけれど、あちらの世界でやっと神さまに会える、と希望を持っているカトリックのシスターが「もうそろそろ」と思うのは、何歳くらいでどういう心身の状態なんだろう。
ジャンヌ・カルマンさんのいたアルルの公立高齢者施設は今、彼女の名前を冠されている。120歳の時のTVドキュメンタリーの後で、医学者たちの好奇の対象になったので隔離したら、退屈して衰えたとも言われている。
その点、愛徳姉妹会の養護施設は充実しているし、「姉妹たち」に囲まれているし、シスター・アンドレさんも「すごくよくしてもらっている」と言っているので、ひょっとしてこのまま「神に忘れられた状態」が続くかもしれない。
私の一番なかよしのシスターは98歳で亡くなったシスター・クレールだった。
彼女については何度も書いている。
やはり愛徳姉妹会。
フランスの愛徳姉妹会でも日本の愛徳姉妹会でもコンサートをした。
2003年に日本の養護施設「聖家族の家」での最初のコンサートを聴いてくださった日仏ハーフの96歳のシスターは、たしか104歳くらいまでお元気だったと思う。
私にとってご縁の深い愛徳姉妹会のシスターが今フランスの最高齢者なんて、根拠も意味もなく誇らしい気がするのは自分でもおかしい。
思えば、創世記(6,3)に
>>>主は言われた。「わたしの霊は人の中に永久にとどまるべきではない。人は肉にすぎないのだから。」こうして、人の一生は百二十年となった<<<
とあるから、シスター・アンドレも120歳までは「お迎え」を待たなくてはいけないかも。
というか、それまでは、「主の霊」はシスターの中にあるのだから、どうぞ、お大事に。