L'art de croire             竹下節子ブログ

2017年 02月 22日 ( 1 )

フランスとイスラム  その4

どうしてフランスの対テロ諜報機関がインターネットによる第三世代ジハードを監視していなかったかというのはいくつかの理由がある。

その一つはアラビア語のメッセージを読まなかったからだ。

もう一つは、1995年以来フランスではジハディストのテロが起こっていなかったからだ。

諜報機関はいくつかのモスクで要注意イマムの話をチェックはしていたが、真剣には憂慮していなかった。ジハードは上からピラミッド型に浸透していくものだと考えていたからだ。デジタル革命、SNSによる煽動の拡散を想定しなかったから10年の遅れが出たのだ。

監獄に3,4年入って出てきたジハディストがヒーローのようなオーラをもって、それまでイスラムについて何も知らないゲットーの「不良」たちに、彼らがゲットー化したシテに追いやられているのは不信心でイスラム嫌いな社会のせいであり、ジハードによってそれを解消できると説いたのだ。

監獄はイスラム過激派にとっての「エリート」コースとなっていた。
その実態が長い間看過されていた。

メラーの起こした事件は、精神状態が異常な男が単独で起こしたアクシデントなどではなかった。
彼らは彼らの「論理」に従って行動している。
その「論理」を分析することは可能だ。

しかしそれには最低のイスラム=アラブ文化の知識が必要である。

彼らの目標ははっきりしている。住民を脅かすこと、標的を殺すこと、そのことで他の過激派ではないムスリムを刺激して共同体意識を高めて後に続かせることだ。

けれども、この最後のものは難しい。

なぜなら、シリアやイラクにテリトリーを得て挑発するISは、多くのムスリムに憎まれているからだ。ISが誇示する蛮行は逆効果だった。そこに、強力な味方が現れる。(続く)
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by mariastella | 2017-02-22 01:41 | フランス



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