L'art de croire             竹下節子ブログ

2017年 03月 13日 ( 1 )

カナダとアメリカの国境、オランダ極右のウィルダースの出自など

ウンベルト・エーコが余命が限られていることを知らされた時に真っ先にしたのがテレビのニュースを見るのをやめることだったとどこかで読んだことがある。

とても納得できた。公営放送の毎夕のニュースと別の報道チャンネルをザッピングしながら、なんだかんだと一時間近く貴重な時間を使ってしまう。次の日の朝の目覚ましラジオやネットの報道サイトで少しチェックすれば十分なものばかりなのに。

それも、昨日書いたように、忙しい時期はとりあえず日本とフランスの情報に絞ろうと思っているのに、ついまたニュース映像を見てしまった。

ひとつはアメリカにいる難民が、身の危険を感じて、カナダの国境に向かっているというもの。去年の初めにパキスタンから来た親子は難民申請をしていたが、トランプ政権下ではパキスタンに送り返されてしまうかもしれない、それでは命が危ない、と思って、酷寒の氷と雪と風の中をカナダにやってきた。そこで低体温や疲労で倒れれば、地中海で難民船が難破して救助してもらえるように、晴れて「救助」の対象になるという。

アメリカとカナダ間の国境は世界一長い国境だそうだ。さもありなん。

だから、壁はもちろん、いわゆる国境検問所もほとんどなく、国境警察がいても、彼らには入ってくる人をとめる機能はない。

酷寒の冬でも500人が国境を越えたそうで、春や夏になればどうなるのかと、国境に近い町の人はさすがに心配しているとかいないとか…

もう一つ、気にはしていたが、あまり首を突っ込まないようにしていたオランダの選挙。極右の自由党リーダーのウィルダースだが、トランプを尊敬していると公言するポピュリストであり、見た目もかなり奇矯でマニアックな人で、うわぁ、すごいなあ、とは思っていたが、彼のイスラム全否定と人種差別に関して、ユーラジア(ヨーロッパとアジアの混血)であることを知って、いろいろ考えさせられた。

母親がインドネシア人なんだそうだ。

インドネシアはオランダの旧植民地で、今のオランダには80万人のインドネシア人が住んでいるという。インドネシアに「謝罪」を拒否したことでも有名だ。
インドネシアと言えば、二億のムスリムを抱える世界一イスラム教徒が多い国だ。それでも、イスラムと民主主義を統合するのに成功したと言われ、イスラム、キリスト教、仏教、ヒンズー教、マイナーでもなんでもそれらの宗教の祝日をみんな国家の祝日にしているそうだ。どの宗教に属していてもみなが熱心にそれぞれの宗教の実践をしているという。

オランダ人のプロテスタント牧師が、インドネシアの信徒の熱心さを見て羨むとか。

オランダにいるムスリムはそのリベラルさに驚いて、「同性愛者が道でキスしている、麻薬が合法的に売られている」と故国の同胞に発信している。

私の知っているインドネシアはバリ島だけで、暮らしぶりはヒンズー教の人のものしか目撃していないが、確かに、毎日の供え物とか複雑だった。
オランダの方はもっと縁がある。

でも、この両者のことを、極右政党の台頭とつなげて考えたことはなかった。
モロッコ人を追放しろ、みたいなことばかり耳にしていたので。

驚いて、ウィルダースを画像もふくめていろいろ検索してしまった。

ウィルダースの家系はユダヤにもつながるらしい。
それにしても、キャラがたちすぎて、怖いというかなんというか...

オランダの総選挙は3/15。

オランダって信頼できる国だと思っていたのに、ほんとにこの人が首相になるのなら、フランスでもなんでも起こるかもしれないとおそろしい。
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by mariastella | 2017-03-13 01:24 | 雑感



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