L'art de croire             竹下節子ブログ

2017年 03月 17日 ( 1 )

猫の世話をして神のことを考える  その1

今、猫2匹と暮らしている。

こういう状況だと、2匹というところが大切だと分かる。
年も性格も食べ物の好みも違って、時にはけん制しあったり、仲良くしたり、協力したり、そこに私が加わって、「社会」ができる。

親一人子一人、とか人間ひとりとペット一匹とか、夫婦二人だけ、とかはよくない。

よくない、というのは「悪い」と言っているのではなく、「よい関係」でいるのが難しい、ということ。

一対一では共依存に陥りやすいし、どちらかの翻意、病気、死亡、裏切り、不在、などでつらい思いをしやすい。

それに比べればまだ「一人暮らし」の方が、独立独歩の能力のある人なら、世界を広げる工夫をするかもしれないし、喪失に対する覚悟とかもできるかもしれないし、何かそういうこの世の関係性を超えたスピリチュアルな結びつきを模索して成功するかもしれない。

夫婦で、相手の日常の習慣が気に入らない、というような話も聞くが、私のように異種2匹と暮らしていたら、「習慣」には接点がないので、ひたすらお世話するだけだ。水と餌をやる、猫砂の掃除、(時々吐瀉物の掃除も)というのが最低限の基本だが、せっせと猫砂の掃除をしているといろいろなことを考える。マスクをするのは面倒で砂埃を吸わないように息を止めていたりするのだけれど、煙草を吸わない彫刻家が石の粉で肺が真っ黒だと医者に言われた、という話を思い出す。

そして、人間の水洗トイレと下水道を考えた人に感謝。また、子供の頃に見たバキュームカー、そしてもっと幼い頃に見た「肥桶」をふたつ肩に担ぐおじさんの姿を思い出す。色が浅黒く、黒い地下足袋みたいなのを履いていて、もちろん強烈な便臭が漂ってくるので、近くに来ると避ける。あのおじさんの顔のニュートラルな感じが忘れられない。私がこんなに忌避しているものを担いで、自分もいっしょに避けられているのを知りながら、黙々と、しかし、重さの負荷に耐える力やバランスやその他いろいろなノウハウを知り尽くして、プロの仕事をこなしているのがニュートラルに見えること自体への驚きだった。強烈だったので記憶の底に残っているわけだが、猫のトイレのお世話をするたびに何か二重写しになってくる。私も作業はニュートラルだけれど、「ああいい感じの〇〇が出てる、今日も健康、長生きしてね(上の子は16歳になる)」と神に感謝。

と、ひたすらお世話をする関係って、「神に感謝」みたいな、別のレベルの存在も引き込んでくる。すごく「対等」で自分のことは自分で、っていう二人暮らしならそういうことはないかもしれない。対等なはずの相手に病気になられたりすると迷惑だ、みたいなことになりかねない。

猫との関係性において、最高だと思ったネット画像がある。

すぐに紹介したかったのだけれど、翻訳できない。
日本語には誰が誰に対して言うかという上下関係や「空気」がすでに含まれているから不可能だ。

フランス語ヴァージョン

日本語風に言うと、

犬の考えること 「愛してくれる」「愛撫してくれる」「餌をくれる」…あなたは神様。
猫の考えること 「愛してもらえる」「愛撫してもらえる」「餌をもらえる」... 私は神様。

フランス語だとこういう印象かな。

    犬  愛してるよね。愛撫するよね、餌くれるよね、・・・ ひょっとして神様?
  猫  愛してるよね。愛撫するよね、餌くれるよね、・・・ ぼくって神様?



これは英語ヴァージョン

「愛してる」という視点がない。

フランス語の方が奥深い。

猫と犬がいっしょだとこんな感じ? (続く)

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by mariastella | 2017-03-17 00:03 |



竹下節子が考えてることの断片です。サイトはhttp://www.setukotakeshita.com/
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