L'art de croire             竹下節子ブログ

2017年 05月 03日 ( 2 )

マリーヌ・ル・ペンとフェミニズム

これは前回の続きではありません。

5/1のニュースの中で、大統領選についてフェミニズムの団体にTVが取材したシーンがあった。

フランスで初めての「女性大統領」を目指すル・ペン女史は、なんと、今回の候補者11人の中でもっとも「フェミニズム指数」が低いそうだ。

FNは、これまでフェミニストが応援するすべての法案に反対してきた。

そういえば彼女の周りには男性ばかりが目立つ。

二度の離婚後の「連れ合い」であるFN副党首とは結婚もパクス関係もないから「身内」優先などと言われることはないし、何より本人が「女性」だから、フェミニストに糾弾されることはないと思っていたけれど…。

この指摘に対して、ル・ペン女子はさっそく反論、曰く、

「女性の解放の敵」はイスラミストである。
女性にイスラムスカーフを強要するなどのイスラム原理主義がフランスの諸悪の根源である。

という論調。

なるほど、レバノンでスカーフ着用を断固拒否したのだから、今回もその整合性はある。
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by mariastella | 2017-05-03 18:53 | フランス

大統領選、司教たちの見解は?

これは前の記事の続きです。

フランス・カトリック教会による大統領選に関するコメントで最も興味深く聞いているのは、ラジオ・ノートルダムで土曜日に放送される「枢機卿との対話」だ。

現在フランスには9人(うち教皇選挙権があるのが5人)の枢機卿がいるが、枢機卿だけではなく司教(現役は115名)も含めて、彼らの一人が10分くらい話す。

興味深い。

みな、司教や枢機卿に任命されるくらいの人だから、経験も豊富だし、フランスの場合、もし聖職者の道を選んでいなくても社会のエリート階級にいる人たちだし、もともとの人脈もある。

しかも、「普通の政治家」と違って、「票田」のケアもないし、普通のエリートや市井の人と違って、失業の心配もなければ、老後のプラン、相続のプラン、家族のケアなどからも解放されている。けれども社会的責任は大きいし、聖職者としての生き方には「定年」がないから、一生、自覚的に自分の使命の遂行に専心できるというレアな人たちだ。

インテリとしてのコストパフォーマンスが高いし、カトリック教会には国境がないから、視座も普通のフランス人と違うし、「永遠」とつながっているのだから、今、ここで、という刹那的な発想からも逃れている。

で、第一回投票の翌日に収録された、リュック・ラヴェル司教(2009年から軍隊の特別司教区の司教だったが、ストラスブール司教に移ることが決まっている。ストラスブールはまだナポレオンとローマのコンコルダ下にあるので、この任命はフランス大統領の商人も必要だった!)による感想。

正確な表現ではないが要約すると、以下のようなもの。

>>フランスはファイナリスト2人によって分断されているのではなく、第一回投票で拮抗した4人の考え方によって分断されていると見た方がいい。

カトリック教会の政治の見方、すなわち社会にどうコミットするかの見方の特徴はそれにどういう「意味」を持たせるかということである。

問題の提起や解決法の提示だけではなく、そのすべての「意味」を考え、「意味」を与える。

その「意味」とは個人の利害や権益を超えたところにある。

「意味」を考えるのは「理性」である。

フランス人が感情や自分の立場優先でなく、それを超えて理性によって投票してくれると私は信じている。<<

ラヴェル師
は父方が海外県にルーツがある人で、パリ生まれのポリテクニシャン、つまりフランスの最高学歴を持っている。

見るからに信頼感をそそるような人だ。(続く)
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by mariastella | 2017-05-03 02:02 | フランス



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