L'art de croire             竹下節子ブログ

2017年 06月 02日 ( 2 )

パリ協定とマクロン(続き)

(これは前の記事の続きです。)(今朝日本語のネットを開いたらパリ条約でなく協定だっので訂正。直訳だとパリ合意かなあとも思っていたのですが。)

今朝のラジオでものまねコメディアンが、マクロンになって、
「パリ協定を離脱したのがアメリカでよかったよ」と言った。

「なぜですか?」

「もし中国だったら、ぼくの中国語はイマイチだから」だって。

このままいけば未来の大統領は中国語のバイリンガルが現れるのかも。

私の前のピアノの生徒でいわゆる生粋のフランス人だけれど、小学校の頃から中国語の家庭教師についていた男の子がいた。親が将来のキャリアに役に立つと思ったそうだ。

今は20歳の学生だ。

その時は、パリの中国人の子弟でフランスの学校に通い国籍も持つ子供たちで中国語の補習にも通いバイリンガルの若者はたくさんいるのだから、見た目ヨーロピアンの若者が多少中国語をできても、直接のビジネスの交渉などは中国系フランス人の方が有利だろうから意味がないのでは…などと思っていたけれど、政治のシーンなら、なるほど切り札の一つになるかも、と今回は納得させられた。

フランスの中等教育では、戦後は第一外国語はドイツ語が主流だった。

ドイツ語が話せたことで占領下のフランスで有利にふるまえたフランス人から得た教訓だった。
ドイツ語の方が文法も難しいので、成績のいい子供たちのクラスに振り分けられることもエリート選別への道だった。
だから「フランス人が英語を話せない」というのは有名だった。

それが、1980年代から、「これからは英語だ」ということで、エリート家庭の子弟も英語を第一外国語に選ぶようになった。

マクロンはその世代だ。

時代は変わる。


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by mariastella | 2017-06-02 17:52 | フランス

トランプ パリ協定を離脱(追記あり)

今、トランプの声明の中継を聴いたところ。

予定より30分も遅れたので、イバンカさんが必死に説得しているんではないかと希望的観測をしていたコメンテーターがいた。何しろ「パリ協定」と名のつくフランスのご自慢の「普遍的」協定だからね。

ようやく現れたトランプも、私はピッツバーグ市民に選ばれたのでパリ市民に選ばれたのではない、などと言っていた。アメリカがサインした時には世界中が拍手した、当然だ、アメリカが一番たくさん払うのだから、みたいなことも言って笑えた。

ただ、もういわゆる「地球温暖化否定」はせずに、これからも交渉を続けるかも、というニュアンスを残したのはイバンカさん対策?
とにかく延々とアメリカファーストを繰り返し、退屈したので、メモをとっていた用紙に落書きしてしまった。

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思わず似顔絵を描いてしまうキャラって、なんかこの人、憎めなかったりして。
中国はパリ条約を守ると言ったらしいので、中国がヨーロッパのパートナー認定、みたいな政治的空気になってきた。マクロンはこれを受けて、30分後に声明を出すんだそうだ。フランス時間の23時。楽しみだから見よう。
政治がどんどん劇場型になっていく。

(続き)
またまた予定より大幅に遅れてようやくマクロンが登場。
ホワイトハウスの光輝く中庭の雰囲気とは打って変わって深夜のエリゼ宮。
すでにトランプに電話して、パリ協定緩和の交渉の余地はないと告げた、と言う。
アメリカの企業や科学者で地球温暖化と戦う人にはフランスは第二の祖国と思ってほしい、とアピールし、アメリカは大切な友人ということも、一週間後に迫るノルマンディ上陸作戦の記念日を念頭にリップサービス。
その後に、フランス大統領の公式声明としてははじめて、英語で直接、「アメリカの友」に対して、同様のことを改めて呼びかけた。
トランプの「アメリカを再び偉大に」、というスローガンをもじって、
make our planet great again
とも言った。
ベルリン、バリ、ローマの市長も声明を出している。
イギリスが今のところ何も言っていないのは、BREXITを感じさせる。

私はフランスがCO2排出量の規制を声高く叫ぶ姿をもともとシニックに見ている。

世界最高レベルの原発依存国に言われたくない。
「原子力がCO2を排出しないきれいなエネルギーだ」という例のプロパガンダを思い出す。

そういえば先ほどのトランプの声明でも、アメリカは世界一?水も空気も清らかな国、みたいなことを口走っていた。ポスト・トゥルースというやつなのか。

まあFBIを敵に回して、もうすぐ何がどうなるか分からないトランプにとっては、セルフ・アピールのチャンスだったし、総選挙前のマクロンにとっても「make France great again」の担い手だと印象付けるチャンスだったのだろう。



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by mariastella | 2017-06-02 05:34 | 雑感



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