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by mariastella
| 2023-08-26 00:05
| 宗教
夜の蝋燭行列も見たいからサレットで一泊したかったのだけれど、いわゆるホテルがない。聖地全体をサレット修道会が管理していて、巡礼者用の大きな施設があって、そこに、大部屋ゾーンと小部屋のゾーンがある。 ルルドはもちろん、ポンマンやファティマとも違って、要するにアルプスの山の中なので、アクセスが限られている。巡礼者を対象にした巡礼土産物屋やホテルやレストランなどが周囲にできていくということがない。 たとえばルルドなら、ご出現に立ち会った少女は地元の少女だったから、今巡礼に行けばそのベルナデットが当時住んでいた村の中の家なども巡礼ルートに入っている。 でも、ラ・サレットのご出現を見た二人は、どちらも、サレットの村の出身ではない。ラ・ミュールの出身で14歳のメラニーは、夏の間いろいろなところで羊飼いや牛の放牧という季節労働に奉公していた。11歳のマクシマンはコールの出身でその日たまたまメラニーと組んで牛の放牧を請け負っていた。 そもそも、サレットの村と言っても、拠点となるラ・サレット・ファラヴォーという村は、聖母出現地とはるか離れている。タクシーでも延々と登っていくのだ。歩いて登れば数時間かかりそうだ。ポンマンのように親の家からすぐ、村の中心部でのご出現でなく、ルルドやファティマのように予告付きで何度もご出現が繰り返されて人々が集まるようになったというわけでもない。一度きり。 (順序でいうと、まず1830年のパリの奇跡のメダルのご出現、そしてこのサレット、続いてルルド、その後がポンマン、20世紀に入ってファティマだ。) 子供達も村人たちも洗礼は受けていても、日曜も働き、教会に通うわけでなければ神を敬ったり祈ったりする習慣もなかった。神やイエスと言う言葉は驚きや罵りの表現に使われていたくらいだ。 サレットのご出現はその場所もタイミングもその後の展開も、かなりユニークで、このことはポンマンと比較してじっくりまとめるつもりだ。ここでは写真の覚書。 盆地のグルノーブルを出てどんどん登っていく。聖地は海抜1700m程でそよ風も吹き、快適そのものの天気。(この日のグルノーブルはフランスの都市で一番の最高気温37°を記録したそうだが、アルプスは別世界だった。影に入ると肌寒いくらいだ) 突然、山に登っていく道を横切る羊の群れに遭遇。ああ、アルプスなんだ、と嬉しくなる。 サレットの聖母は座って泣いているところ、立って涙を流しながら子供たちにお告げするところ、そして昇天するところという3シーンがある。このセンターの入り口で迎えるのは、立っている聖母。 バジリカ聖堂でのミサは終わったばかりだったが、数分間オルガン演奏を聴くことができた。 被昇天のチャペルと呼ばれるこの聖堂はバジリカ聖堂が建てられる前に最初に作られたものが移転されたもの。 ご出現が1846年、聖堂は1853年、バジリカ聖堂は1865年完成。 #
by mariastella
| 2023-08-25 00:05
| 宗教
(続く)
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by mariastella
| 2023-08-24 00:05
| フランス
最初の部屋の真ん中に、ポール・リシェの「最初のアーティスト」の彫刻がある。1890年のサロンに出された石膏像でその後ブロンズ像になったらしい。 象の形を彫って満足している古代人? 満足そうな無邪気な表情がほほえましい。見たことのある何かを描いたり彫ったりして再現することは人間が人間であることの第一歩なんだなあ。 大理石の古代彫刻を修復したもの。牡羊に乗るディオニソス。 16世紀末のカップル像がなぜか気になった。ストーリー性すら感じさせる。 サン・ヴィダルの乙女と呼ばれる14世紀の聖母子像。衣装の襞もこまやかだが、何やら生意気そうな息子を抱きながら余裕の表情がすごい。視線の先が知りたくなる。 これは、カテドラルのチャペルで見つかった有名な「リベラルアーツ」のフレスコ画(15世紀)をもとにした19 世紀のコピーだ。リベラルアーツは七科で哲学の女神も入れて八人いたはずだから、これはその半分なのだろう。左から文法、論理学、修辞学、音楽の女神がゆったり座って、男たちに教えを授けている。 みな、誰が裏切り者なのかとがやがやしているのに、金の入った革袋を握りしめたユダだけが、こちらに視線を向けている。この絵を見ている人はみな、イエスを売った共犯なのだ、と言うかのようだ。 15世紀半ば、バーテレミー・ダイクの『聖家族』。ピュイのクラリス会修道院のためにベルギーのリエージュ出身の画家が描いた。フランドル派絵画。 家族の様子もフランドル地方。おもしろいのは、聖母はイエスを抱いているけれど、読書に夢中で、天使が支えてくれている本をずっと読んでいる。養父ヨセフの方は、イエスに果物を剝いてやっている。キリスト教のスタートには、知の女神たちのように、「知」を求める女性と、家庭の現実を支える男がいたわけだ。 一番古い15世紀のトランプ。 ミュージアムは広大で、自然科学史の展示や機械技術の発展など、パリの自然史博物館のように充実したコーナーがいろいろあった。 #
by mariastella
| 2023-08-23 00:05
| フランス
内部の構造を見ながら、外側のどの辺なのかを考えるのもおもしろい。最上部には、聖母の冠を覆っている透明の窓から外を眺めるためのはしごもある。 #
by mariastella
| 2023-08-22 00:05
| フランス
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