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by mariastella
| 2023-07-07 00:05
| アート
リシエの胸像が、綿密なプロポーション計算のもとに頭部を完璧に再現しながら「人格」まで中に取り入れてしまうテクニックは驚くべきものだが、それが全身像へと進むときに顔がなくなったり、足がなかったり、片腕がなくなったり手や指がなくなるなど不思議な展開になる。それが昆虫などとのハイブリッドな作品にもつながるのだけれど、そこに行く前にスイスで制作した少女の像がある。
彼女の頭部は少なくとも正面から見るとクラシックで、リシエの天才が分かりやすく現れている。それなのに、胴体は解体されているのか蘇生の最中なのかという残虐な感じがする。
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by mariastella
| 2023-07-06 00:05
| アート
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by mariastella
| 2023-07-05 00:05
| アート
造形もそうだけれど、金色に輝く光が美しい馬の像。
黙示録も含めたいろいろな神話の馬を創造するが、リシエの考えは、一頭の馬が激しく頭を動かす様子を表現したかったらしい。そう思ってみるとさらに迫力がある。 全身像を撮らなかったので、購入した雑誌から。 #
by mariastella
| 2023-07-04 00:05
| アート
アッシーのノートルダム聖堂は、アルプスの小村の教会でありながら現代アートのミクロ殿堂とでもいえる驚くべき場所だ。活気のある世俗アートに対して、カトリック教会の古びたアートはもはや人心に訴えないとして司祭たちがリシエやルオーやシャガールらに作品提供を依頼した。アーティストたちの宗教帰属は問わない画期的なイニシアティヴだった。 この場所の説明をここでしている余裕はないので日本語で検索したらかなり詳しいこういうものがあったので興味のある方はどうぞ。 作品の写真はここでも。 リシエは熱心なカトリックというわけではなかったが、南仏育ちで、年に一度巡礼に来るジプシーのように、困った時には黒い聖女サラに祈っていた。サラは南仏に来たマリアに仕えた人として13世紀の『黄金伝説』に出てくるが、19世紀ごろに巡礼や崇敬の歴史が記録され始めた。 この写真など見ると、リシエが惹かれたのが何となくわかる。このような「過剰さ」に惹かれたからこそ、その秘密の根に触れるために彼女は装飾を削ぎ落していったのかもしれない。 で、依頼された主祭壇の十字架像、リシエをインスパイアしたのはイエスの到来を予言したというイザヤ書(53, 2~5)だった。 この人は主の前で若枝のように/乾いた地から出た根のように育った。/彼には見るべき麗しさも輝きもなく/望ましい容姿もない。 彼は軽蔑され、人々に見捨てられ/痛みの人で、病を知っていた。/人々から顔を背けられるほど軽蔑され/私たちも彼を尊ばなかった。 彼が担ったのは私たちの病/彼が負ったのは私たちの痛みであった。/しかし、私たちは思っていた。/彼は病に冒され、神に打たれて/苦しめられたのだと。 彼は私たちの背きのために刺し貫かれ/私たちの過ちのために打ち砕かれた。/彼が受けた懲らしめによって/私たちに平安が与えられ/彼が受けた打ち傷によって私たちは癒やされた。 特に、「乾いた地から出た根のよう」で「麗しさも輝きも」ないというのは、すでに彼女の嗜好だった乾いたもの、朽ちたものへ眼を向けさせた。 偶然この十字架を最初に見た信者は、はじめてキリストとの一体化(コミュニオン)を感じた、と言ったそうだ。キリストは十字架の「木」とすでに一体化している。「自然」と「人間」と「神」が分離する以前の「救い」に参入したのかもしれない。 ところが、献堂されて間もなく、保守的な教会関係者によって結局取り外しを命じられ、その後チャペルに移されて、第二ヴァティカン公会議を経た20年後に主祭壇に戻された。 今回の展示では、チャペルをイメージして囲ったパネルに、当時の論争の記事がびっしりとコラージュされていた。 その囲いの中央に開いている入り口の前に、ミニヴァージョンの十字架像があり、その奥にあるチャペルの十字架が目に入るようになっている。 そのデッサンを見ると、この十字架像と共通するものを感じないでもない。 また、リシエがわざわざ朽ち木にヒントを得なくとも、ヨーロッパの中世の教会には、もっと朽ちた、壮絶な磔刑像がいくらでもある。 そうなると、やはり、宗教美術におけるオーラというのは、形でなく、そこに人々が託してきた思いの蓄積みたいなもので、人々の苦難と、それを受け入れる磁力のある聖像が養い続けた何かなのだろうと思う。
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by mariastella
| 2023-07-03 00:05
| アート
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